手を伸ばせば
ご注意
友沢兄弟の話ですが、誠に遺憾ながら私は翔太くんのことをよく知らないので、すべては妄想の産物であり脳内設定となっています。とてもこわい。とてもこわいのでワンクッション入れてあります
もはやオリキャラのようになってしまっている翔太くんでも大丈夫という方のみ続きからどうぞ
心臓の弱い方や友沢兄弟のイメージを崩されたくない方は閲覧を控えていただきますようお願い申し上げます
友沢兄弟の話ですが、誠に遺憾ながら私は翔太くんのことをよく知らないので、すべては妄想の産物であり脳内設定となっています。とてもこわい。とてもこわいのでワンクッション入れてあります
もはやオリキャラのようになってしまっている翔太くんでも大丈夫という方のみ続きからどうぞ
心臓の弱い方や友沢兄弟のイメージを崩されたくない方は閲覧を控えていただきますようお願い申し上げます
友沢兄弟の話 主人公と友沢
「兄ちゃん、コーヒーのおかわりいる?」
「ああ、頼む」
日曜のお父さんよろしくリビングのソファでごろごろしていた兄は、むくりと起き上がってそっとコーヒーカップを差し出した。ついでにリモコンを取り上げてチャンネルを回した兄は再びソファへ深く沈み込むと、さして興味もなさそうにテレビへと目を向けた。リラックスしているときの兄の様子を横目でみながら、僕はコーヒーメーカーからもう一杯コーヒーを注いだ。コーヒーが好きな母のために兄が買ってきたものだった。母は、毎日手入れを欠かさずにとても大切に使っている。久々のオフで帰ってきた兄にもそれは伝わったようで、ちらりとコーヒーメーカーを眺めては嬉しそうに頬を綻ばせていた。
「お母さんと朋恵はもうちょっとしたら帰ってくるって」
「翔太も行けばよかったのに」
「やだよ、荷物持ちにされるの分かってるし。兄ちゃんこそ久しぶりに帰ってきたんだから、一緒に買い物行ってきたらよかったのに」
「オレこそ久々のオフなんだ、たまには家でゆっくりするよ」
渡したコーヒーを一口飲みながら兄は笑った。プロ野球選手として活躍している兄はまた一段と逞しくなったように感じる。テレビで見る兄はなんだか遠い人のように感じるときがあるのだが、こうして家でだらだら過ごしている様子を見ていると、やはり昔から何も変わっていない、自分のよく見知った兄だった。
「そういえば、最近パワプロさんあんまり家にこないよね」
「パワプロ?なんだよ急に」
「だって、兄ちゃんの恋人でしょ?」
コーヒーを噴き出した兄は盛大に咳込んで、僕は慌ててキッチンから布巾とタオルを持ってくることになってしまった。タオルを渡された兄は涙目でいまだに咳込んでいる。げほげほとむせる兄を横目に僕は布巾でフローリングを綺麗にして立ち上がった。
半分は冗談で言ってみたのが、どうやら図星だったらしい。兄は嘘をつくのが極端に下手だ。その様子も昔から変わることがなく、僕は俄然楽しくなってくるのだった。
「やっぱり。そうだったんだ」
「翔太、お前な…」
「じゃあさ、なんでパワプロさん家にこないの?喧嘩でもしたの?」
「…あいつ、最近家を出て一人暮らししてるんだ。忙しいんだろ」
「なあんだ。兄ちゃんの方が入り浸りなんだね」
おもむろに立ち上がった兄は、置いてあった雑誌に足をとられて見事に転んだ。そのまま起き上がれないらしい、リビングにうずくまったままの兄はなんとも言えない顔で僕の顔を振り仰ぎ、口の中でごにょごにょと何事かをつぶやいた。
「翔太、もう勘弁してくれ…」
「もう今更だし、僕にまで隠さなくてもいいじゃん」
「…」
「兄ちゃんとパワプロさんって、兄ちゃんが高校生の頃から仲良いよね。僕、ちゃんと覚えてるよ」
パワプロさんというのは、かつての兄の同級生であり、現在はチームメイトでもあるプロ野球選手のことである。高校生の頃から仲良くしていた二人の関係は今でも良好で、休みの日にはよく家に遊びに来ていたものだが、最近ではそれもめっきり減ってしまった。一体どうしたのかと尋ねてみたところ、先ほどの兄の態度だ。僕がぼんやりと想像していたことは、どうやらズバリ正解だったようである。
パワプロさんには、僕ら兄弟がまだ幼い頃からとてもよく世話になっている。当時、兄がアルバイトで家を空けているときなんかは、よく一緒に遊んでもらったものだ。
兄が高校生である頃、僕ら兄弟はまだ幼く父がいなくなったことの意味も理解できなかったし、さらに病気の母は病室で寝たきりであった。
今だから分かるが、あの頃の兄はかなりめちゃくちゃな生活を強いられていた。プロ野球選手を目指す兄が一日でも練習をおろそかに出来ないのは当たり前のことであったし、その上で毎日過酷なアルバイトをしていたのである。僕ら兄弟が今日まで無事に暮らしてこられたのは、ひとえに兄のおかげであった。
そんな兄を支えてくれていたのが、パワプロさんだった。兄にはもちろん感謝しているが、パワプロさんに対しても感謝の気持ちが尽きることはない。あとから知った事だが、どうやら母が手術をする際、その莫大な手術費用の一部をパワプロさんは兄に貸してくれたらしかった。プロになった際の契約金を全額兄に渡したのだというのだから、僕は単純に驚いた。
もちろん兄はそのようなことを一言も口にしたことはないので、母からちらりと聞いたことである。お兄ちゃんはとても良い人と出会ったのね、なんて母は微笑んでいた。全くその通りであると、僕はこっそりと、そして深くパワプロさんと兄に感謝をしたのだった。
「パワプロさん、元気?」
「あいつの話はもういいだろ」
「よくないよ、兄ちゃんばっかりずるい」
「ずるいって何だ…」
「パワプロさんって優しいし、楽しいよね。ちょっと抜けたとこあるけど、そこがまたおもしろいし、すごくいい人だし」
「…」
「…もしかして、兄ちゃん、やきもち?」
あのなあ!と大きな声を出した兄はがっくりと肩を落とすと、「勘弁してくれ」とだけ告げてそっぽを向いてしまった。少しからかいすぎてしまったらしい。
「クール」で「ポーカーフェイス」なところが格好良いという兄のファンが見たらさぞかし驚くことだろう。僕はくっくっくと笑うと、兄の肩をぽんと叩いた。
「ごめんって、そんなに照れなくてもいいじゃん」
「母さんや朋恵には言うなよ」
「なんで?」
「…びっくりするだろ」
「しないと思うけどなあ」
ぽかんとした兄は、半分口が開いている。もはやクールでもポーカーフェイスでもなんでもない。どうやら本気で僕たちに隠しているつもりだったらしい兄は、何やら複雑そうな顔で考え込んでいる。考え込むことなど、何もないのだ。僕はにっこり笑って兄に声を掛けた。
「兄ちゃん、キャッチボールしに行こうよ」
「今からか?」
「今からだよ」
「…そうだな、久しぶりだしな」
言うが早いか兄はさっさと運動用の服に着替えてしまって、いつものグラブを取り出していそいそと支度をしている。やっぱり兄は野球が大好きなのだなあと僕は温かい気持ちになる。僕も野球をしているけれど、兄のようになれる日はまだまだ当分先のことであろう。そういう意味で、兄の存在は遠く大きく、僕はまだその足元にも及んでいない。いつか、自慢の兄と肩を並べるのが僕の夢であった。
「準備できたか?」
「うん」
いつものサングラスを手に取った兄は、挑戦的な目で微笑んだ。
「翔太がどのくらい成長したか見てやらないとな」
「たぶん兄ちゃんびっくりするよ」
ドアを開けると眩しい太陽の光が差し込んで、兄の横顔を照らした。その顔はきらきらと瞬き、どこまでも優しく笑っていた。
「母さんと朋恵が帰ってきたら、美味いもん食べに行こう」
「美味いもん食べに行こう」は、兄の口癖のようなものであり、お決まりのセリフであった。僕はひとつ大きく頷くと、持ったグラブを大きく空へと掲げて見せた。
「そのためには、お腹を減らしとかないとね」
「そうだな」
隣に立った兄を見上げて、僕はそっと微笑んだ。
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翔太くんの一人称も喋り方も友沢といくつ年が違うのかどういう設定なのか何も知らない
すべてはパワスタの翔太くんカードがいけなかったのだと思います
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