世界よこの指とまれ
世界よこの指とまれ
(10カイザース/主人公×友沢亮)
夢みたいだ。夢みたいだ。夢みたいだ。
ばかみたいに同じ言葉がぐるぐる回る。転がったオレが見上げた先には、ずっと手にしたくてたまらなかった人がいる。手を伸ばせば、触れられる。これが夢でなかったら、いったい何が夢だというのだろう?
「友沢、おまえそんな顔するんだな」
「どんな顔、ですか」
「そんな顔だよ」
ぶよ、と頬をつねられて、オレはそれすらも嬉しくて胸の奥がぎゅうと詰まった。苦しいのに嬉しい。そんなオレの顔を見て、相手は屈託なく笑っている。
「友沢、変な顔」
「うるさいですよ。ちょっと、まだ、混乱してるだけです」
練習が終わって、飯に行こうと誘われた。そんなことですらオレは内心飛び上がるほど嬉しくて、顔に出さないよう平静さを保つだけで精一杯だった。だから、それからのことはあまりよく覚えていない。酒を飲んだこの人が終電を逃してしまったことだとか、そのときの自分が何と言って自宅まで呼び込んだのか、そのあとどんな会話をして、こんなことになってしまったのか。
顔を横に背けると、皺になったシーツが目に入った。こんなことなら、新品のものに取り替えておくんだった。こんなことに、なるのなら。まさか、こんな日が来るなんて。
「友沢、なに考えてる?」
「べつに…」
「でも、意外だったな」
「何がですか」
「だって、カイザースのスーパールーキー様友沢亮とオレがこうしてるなんて、誰が想像できるの」
「それは」
こっちのセリフです。そう言いたくて声を出そうとしたのに、見上げたこの人があまりにも優しい顔でこちらを見ているものだから、それは音になることもなく喉の奥で詰まって消えてしまった。さっきから苦しくて仕方がない。苦しくなるほどの幸福など、オレは知らない。
「ん?」
「あんた、こそ」
「オレ?」
「猪狩さんが、いいんだと、思ってた」
「猪狩ぃ?確かにあいつはミョーにつっかかってくることあるけど、そんなんじゃないだろ、どう考えても。野球バカすぎなんだよな。って、それは人のこと言えないか…」
「あと、進さん、とか」
「進くん?確かに進くんはすっごくカワイイけどさあ」
「……」
「なにムスッとしてんの」
「べつに。あんたって、外面良すぎですよね」
「そっかな?」
「褒めてないです」
「オレ、べつにそんなことないと思うけど」
「ドリトン、とかも」
「ドリトン!?いや、マジでそんなこと思ったこともないけど…はは〜ん、さては友沢、妬いてるな?」
「当たり前です」
パチクリと目を丸くしたパワプロさんに、オレはどんな顔をしたらいいのか分からない。否、オレはさっきからどんな顔をしているんだ。
こんな情け無い顔を見られたくないのに、覆いかぶさるようにしてオレの上に乗っかっているこの人から逃れる術はない。ほんとうに、夢みたいだ。
「友沢、カワイイ」
「やめてください」
「かわいいよ、ほんと」
かわいいなんて言われて嬉しいわけがないのに、女みたいに喜ぶはずもないのに、オレときたら何も言えずに、それどころか顔に熱が集まるのを自覚していた。ばかみたいだけれど、今日くらいは、許してくれないか。誰に対してなのか分からぬ言い訳ばかりが脳裏によぎる。気を抜くと、だらしなく頬が緩んでしまいそうだ。ほんとうはもう、とうに緩んでいるのかもしれないが。
「なあ、友沢」
「なんですか」
「キスしていい?」
「…普通、聞きますか、それ」
「一応、ほら、な?」
「……」
「ダメ?」
そんなわけないだろう!
そう叫びたくなる気持ちを我慢して、オレはパワプロさんの胸ぐらを掴んで無理矢理引き寄せた。勢い余ったせいで歯がぶつかって痛かったが、そんなこともお構いなしにオレは貪欲に唇を求めた。初めは驚いていたらしいパワプロさんも、こちらから舌を差し入れる頃にはようやく応えてくれて、オレはますます夢中になった。欲しくてたまらなかったものの名を呼ぶと、その人は柔らかく笑ってこたえてくれるのだった。
「友沢」
返事の代わりに再びその唇を塞ぎ、オレは少しだけ目を閉じた。
2018.6.25
ーーーーーーーーーーーーーーーー
友沢くん、幸せになってね〜…!
そんな気持ちを両手いっぱい詰め込みました。
友沢くんのキレイな顔が歪むことにたまらない何かを感じる民だから、いつも泣かせたり振られたりさせてごめんね。幸せになってね。
主友が熱いです
(10カイザース/主人公×友沢亮)
夢みたいだ。夢みたいだ。夢みたいだ。
ばかみたいに同じ言葉がぐるぐる回る。転がったオレが見上げた先には、ずっと手にしたくてたまらなかった人がいる。手を伸ばせば、触れられる。これが夢でなかったら、いったい何が夢だというのだろう?
「友沢、おまえそんな顔するんだな」
「どんな顔、ですか」
「そんな顔だよ」
ぶよ、と頬をつねられて、オレはそれすらも嬉しくて胸の奥がぎゅうと詰まった。苦しいのに嬉しい。そんなオレの顔を見て、相手は屈託なく笑っている。
「友沢、変な顔」
「うるさいですよ。ちょっと、まだ、混乱してるだけです」
練習が終わって、飯に行こうと誘われた。そんなことですらオレは内心飛び上がるほど嬉しくて、顔に出さないよう平静さを保つだけで精一杯だった。だから、それからのことはあまりよく覚えていない。酒を飲んだこの人が終電を逃してしまったことだとか、そのときの自分が何と言って自宅まで呼び込んだのか、そのあとどんな会話をして、こんなことになってしまったのか。
顔を横に背けると、皺になったシーツが目に入った。こんなことなら、新品のものに取り替えておくんだった。こんなことに、なるのなら。まさか、こんな日が来るなんて。
「友沢、なに考えてる?」
「べつに…」
「でも、意外だったな」
「何がですか」
「だって、カイザースのスーパールーキー様友沢亮とオレがこうしてるなんて、誰が想像できるの」
「それは」
こっちのセリフです。そう言いたくて声を出そうとしたのに、見上げたこの人があまりにも優しい顔でこちらを見ているものだから、それは音になることもなく喉の奥で詰まって消えてしまった。さっきから苦しくて仕方がない。苦しくなるほどの幸福など、オレは知らない。
「ん?」
「あんた、こそ」
「オレ?」
「猪狩さんが、いいんだと、思ってた」
「猪狩ぃ?確かにあいつはミョーにつっかかってくることあるけど、そんなんじゃないだろ、どう考えても。野球バカすぎなんだよな。って、それは人のこと言えないか…」
「あと、進さん、とか」
「進くん?確かに進くんはすっごくカワイイけどさあ」
「……」
「なにムスッとしてんの」
「べつに。あんたって、外面良すぎですよね」
「そっかな?」
「褒めてないです」
「オレ、べつにそんなことないと思うけど」
「ドリトン、とかも」
「ドリトン!?いや、マジでそんなこと思ったこともないけど…はは〜ん、さては友沢、妬いてるな?」
「当たり前です」
パチクリと目を丸くしたパワプロさんに、オレはどんな顔をしたらいいのか分からない。否、オレはさっきからどんな顔をしているんだ。
こんな情け無い顔を見られたくないのに、覆いかぶさるようにしてオレの上に乗っかっているこの人から逃れる術はない。ほんとうに、夢みたいだ。
「友沢、カワイイ」
「やめてください」
「かわいいよ、ほんと」
かわいいなんて言われて嬉しいわけがないのに、女みたいに喜ぶはずもないのに、オレときたら何も言えずに、それどころか顔に熱が集まるのを自覚していた。ばかみたいだけれど、今日くらいは、許してくれないか。誰に対してなのか分からぬ言い訳ばかりが脳裏によぎる。気を抜くと、だらしなく頬が緩んでしまいそうだ。ほんとうはもう、とうに緩んでいるのかもしれないが。
「なあ、友沢」
「なんですか」
「キスしていい?」
「…普通、聞きますか、それ」
「一応、ほら、な?」
「……」
「ダメ?」
そんなわけないだろう!
そう叫びたくなる気持ちを我慢して、オレはパワプロさんの胸ぐらを掴んで無理矢理引き寄せた。勢い余ったせいで歯がぶつかって痛かったが、そんなこともお構いなしにオレは貪欲に唇を求めた。初めは驚いていたらしいパワプロさんも、こちらから舌を差し入れる頃にはようやく応えてくれて、オレはますます夢中になった。欲しくてたまらなかったものの名を呼ぶと、その人は柔らかく笑ってこたえてくれるのだった。
「友沢」
返事の代わりに再びその唇を塞ぎ、オレは少しだけ目を閉じた。
2018.6.25
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友沢くん、幸せになってね〜…!
そんな気持ちを両手いっぱい詰め込みました。
友沢くんのキレイな顔が歪むことにたまらない何かを感じる民だから、いつも泣かせたり振られたりさせてごめんね。幸せになってね。
主友が熱いです
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