お気に召すまま
ぬるすぎて笑えますが、性描写があるのでたたんでおきます。
大丈夫な方は続きからどうぞ
大丈夫な方は続きからどうぞ
2010/主進
※主進のつもりですが、進がガンガン攻めてるので苦手な方ご注意
「ちょ、ちょっと進くん待って!待ってよ!」
「どうしてですか?気持ちよくないですか?」
きょとんとした幼い顔つきで言った進くんは、さも不思議そうにオレの顔を眺めてからうふふと笑った。その顔は、今まで見たことがないくらいに嬉しそうだった。
「パワプロさんのここ、どんどんおっきくなってます。嬉しいな、僕の愛撫で感じてくれるんですね」
「そりゃ気持ちいいけど、でもちょっと待って、そういうことじゃないって!」
そういうことですよ、進くんはそれだけ言うとまたオレの下腹部に顔を埋めるのだった。思うように体に力が入らないので抵抗らしい抵抗もできない。
なんとか手をのばして進くんの髪を触るも、これではまるで催促しているかのようだ。案の定進くんはそういう意味にとったようで、オレの中心をさらに激しく攻め立てた。ああ、気持ちがいい。
体も上手く動かせない上に、意識もまだぼんやりしている。視線をずらした先にはテーブルがあって、そこには綺麗さっぱり食事を終えた後の食器が残っている。それを見てオレは、ここは確かに進くんの部屋で、さっきまで一緒に夕食を食べていたことをしっかりと思い出した。
どうしてこんなことになったのかよく分からない。
声をかけたのは、今日も確かにオレの方だった。
練習が終わった後、いつものように進くんに声をかけた。オレが一軍に上がってから進くんとの距離は急激に縮まって、練習後に二人で食事へ行くのももはや恒例行事のようなものだった。
誘われた進くんはいいですよと笑って、自宅のマンションへと招いてくれたのだった。
進くんのマンションに来るのもこれで何回目かになる。進くんの手料理の味を覚えるほどには、最近のオレはよくここに通っていた。初めのうちこそ何度も自宅へ押し掛けることに気が咎めたのだが、進くんが気にしないでくださいと言って笑うのでオレもそのうち気にしなくなっていた。
進くんの手料理はいつも美味しく、最近ではとても手の込んだものが出されることもしばしばだった。もしかしてオレが来るせいで余計な気を使っているのではないかと尋ねると、一人ではない食事が嬉しくてつい張り切ってしまうんですと進くんは頬っぺたを染めながら教えてくれた。進くんはとてもいい子だ。
そんな感じで今日も二人でおいしく楽しく食事をとっていたはずだった。
しかしながら今思い返してみると、食後に出されたお茶を飲んだ辺りから意識がひどくあいまいになっているような気がする。気分が悪いなら、とベッドを勧められたような気もする。
「パワプロさん、こんな状況で一体何を考えているんですか?」
もっと集中して気持ちよくなってくださいね、言い置いた進くんはオレの額に小さな唇を押し付けると上下に扱く手を早めた。ぼんやりとした頭でも感じる快感だけは鮮明で、あまりの気持ちよさにオレは顔をしかめた。
「進くん、どうして」
「僕ね、パワプロさんのことが好きなんです」
「オレのこと好きって、どういう」
「全く、ほんとうに鈍感ですね、あなたは。そういうところも、またたまりませんけどね」
額に押しあてられた進くんの唇が徐々に下の方へ降りてくる。鼻筋、瞼、頬と順に滑っていって、唇を避けるようにしてそれは首筋へと埋まった。ちくりとした甘い痛みが走る。
「パワプロさんって意外と肌が白いんですね。こんなに赤くなっちゃった」
「進くん、オレは」
胸の突起を指ではじかれて、オレは言葉を飲み込んだ。気持ちいいというよりは、痛いようなくすぐったいような感覚。なにより、男のそんなところをいじるという行為に驚いた。
進くんはオレの顔を眺めながら、指でおしたりつまんだりを繰り返している。
「ふふ。僕がちゃんと気持ちよくしてあげますから安心してくださいね」
そう言うと進くんはオレの胸に舌を這わせてべろりと撫で上げた。ぬるりとした感触に背中がぞわりと粟立つ。片方の突起を指でこねまわしながら、もう片方を唇と舌で愛撫される。
中心を扱かれながら続けられるその行為に、いつしかオレは快感を見出していた。
「う、進っくん…」
「大分良くなってきたみたいですね」
進くんは満足気に言うと、いつものようににっこりと微笑んだ。濡れた唇が蛍光灯の灯りの下で反射してぬらぬらとうごめいている。いつもと同じ顔でいつもと様子の違う進くんにオレは確かに興奮していた。
それでも、この状況に納得がいかないということに変わりはない。
「ねえ、どうしてこんなこと…」
「パワプロさんが言ったからです」
「オレが?」
「僕のこと、お嫁にほしいって言ったじゃないですか」
「それは」
「僕嬉しかったんです。パワプロさんのこと好きだったから。だから、パワプロさんにも僕のことを好きになってもらおうと思ってがんばりました。急成長するあなたに負けないよう練習もいつも以上にたくさんしたし、あなたにおいしいと言ってもらえるのが嬉しくて料理の腕も磨きました。あなたに偶然会えたときの嬉しさが忘れられなくて、あの本屋には何度行ったか分かりません」
「進くん…」
「だけど僕はあなたにこの気持ちを伝える勇気がなかった。あなたも僕の気持ちには全然気が付かなかった」
「…」
「だからね、僕はあなたがおいしいと言ってくれるご飯に一細工したんです」
そう言うと進くんは、どこからか透明な瓶を取り出して軽く振ってみせた。
そこには緑色の錠剤がいくつか入っていて、瓶の中でころころと転がった。
「それは?」
「僕の昔の知り合いに頼んで少しわけてもらったんです。いわゆる媚薬のようなものですね」
「媚薬…」
「いつも僕の作った料理には溶かしたこの薬が混ぜられていたんですが、全然気が付かなかったでしょう?」
もちろん気が付かなかった。進くんの作ったものはなんだっておいしい。オレは何も知らず何も感じずに出されたものをすべて平らげていた。進くんは淡々と続けた。
少しずつ混ぜていればそのうち効果が出るはずだったんですが、パワプロさんには全然効かないみたいで焦りました
薬もあと少しになってしまっていましたから
だから、今日のご飯には、いつもより多く混ぜたんです
それなのにあなたはいつもと変わらないから
最終手段でお茶にも少し盛らせてもらいました
さすがにこれは効果てきめんでしたね、苦笑した進くんは、ちょっとだけ入れすぎましたとオレに対して謝った。
オレはというと何とも返答することができず黙るしかない。もうしばらくすれば体の感覚は戻るはずですと告げた進くんは再び透明な小瓶を持ち上げた。
きゅぽんと蓋を外して、中の錠剤をひとつ取り出す。緑色のそれを眺めながら進くんが微笑する。
「こっちの方が効かないのはどうしてでしょうね。混ぜるだけじゃぬるいみたいだから、今日はこのまま食べてみてください」
失礼します、いささか乱暴にオレの唇を開かせた進くんは、手に持った緑の錠剤をオレの口の中にころんと放り込んだ。噛んでくださいと言われたので、ゆっくりとではあるがオレは言われるままに錠剤を噛み砕いた。味はしなかった。
ごくんと飲み込んだのを見守ると、進くんはうっとりとした表情で笑った。大きな瞳はゆらゆらと揺れていて、瞬くたびに透明なそれが零れ落ちそうだった。
「これでパワプロさんも僕のことを好きになってくれるでしょうか」
「ねえ進くん」
「僕のこと軽蔑してますよね」
「……」
「こんなことされて、気持ち悪いですよね」
「……」
「どうしても我慢できなかったんです」
ごめんなさい、項垂れた進くんの表情はここから窺い知ることができなかった。それでも、彼の手が小刻みに震えていることだけは分かった。進くんの掌から小瓶が転がり落ちる。オレはベッドから転がり落ちようとするそれをとっさに掴んだ。小瓶はちゃんと掌に収まって、徐々にではあるが体が動くようになっていることを知る。
ゆっくりと上体を起こし、小瓶をベッドサイドに置いた。しばらく無言のままの時間が続いたが、肩慣らしとばかりに開いたり閉じたりしていた掌を進くんの頬に触れさせる。
彼はびくりと体を硬直させたまま、それでも顔を上げようとはしなかった。
「ねえ進くん」
「……」
「怒ってないから、顔上げてよ」
「……」
「たしかに、そりゃびっくりしたけどさあ」
「……」
「もうオレのこと嫌になっちゃった?」
「そんなわけないです!」
顔を上げた進くんはやっぱり泣いていた。泣かないように我慢していたのか、鼻の頭が真っ赤になっている。彼が瞬きするたびに目の端から熱い雫が零れ落ちて、シーツとオレの掌を濡らした。
目じりを指でなぞる。
「ごめんなさい」
「とりあえず、もう泣かないで。オレはきみが泣くところを見たくないよ」
「ごめ、なさ…」
「チューしたら泣き止むかな?」
進くんの頬を両の掌ですっぽりと覆い隠して、額をこつんとくっ付けた。びっくりしたらしい進くんは大きな瞳をさらに大きく瞬かせて息を飲んだ。吐息が触れるほど顔を近づけてオレは尋ねる。
「キスしてもいい?」
大きく頷いた進くんの顔を見届けて、オレはそのまま小さな唇に口付けた。そこは甘くて熱くてしょっぱかった。進くんの涙の味だ。彼はいつからこんな風に一人で泣いていたんだろうと勝手な想像をしながら、オレは角度を変えて何度も何度も唇を合わせた。
オレがあんまりしつこく舌を絡めるものだから進くんは苦しそうに息を漏らして、そこでオレはようやく我に返って唇を離した。
せっかく涙の味がしなくなるまで舐めたというのに、顔を離すと進くんはまた泣き出してしまうのだった。息も絶え絶えにして嗚咽まで上げて泣くので、オレはいよいよ困窮して打つ手がなくなってしまった。
「ご、ごめんそんなに下手くそだったかなオレのキス…確かに自信はなかったけどでもそんな」
「ちがうんです、ちがうんです…嬉しくて」
ぽろぽろと惜しげもなく涙をこぼしながら、それでも進くんは今日見た中でいちばん柔らかい顔で笑ってくれた。もう一度嬉しいですと続けた彼はオレの胸に顔を押し付けた。
「本当にごめんなさい、こんなことして…」
「もういいよ。でも、ちゃんと反省してる?」
「はい…」
「じゃあさ」
こほんとひとつ咳払いをして、オレは進くんの耳に囁いた。大きな声で言うのは恥ずかしかったからだ。
「オレのここ、まだこんなことになってるんだけど、最後までしてくれる?」
進くんは驚いた顔をした後、すぐににっこりと笑ってもちろんです!と答えてくれた。その笑顔はあまりに眩しすぎてオレは直視することができない。
再び重ねられた唇に、そういえばまだ好きだと言っていないことに気が付いたが、とろけるような甘いキスに唇を離すのが惜しくなり、オレは心の中で奥歯も凍るような甘いセリフを囁いて目を閉じた。
愛しているの言葉は、もう少しだけ先にとっておこう。それはきっと、これから飽きるほど何度でも言うことになる言葉のはずだ。
―――――――――
盛っちゃいました系の主進。進くんは何しててもかわいいからすごいわあ
2010の手料理イベで体力の最大値が上がるのはなんでかな!と思ったらこんなんできました
進が昔の知り合い~とか言ってるのはダイジョーブ博士とか加藤先生かな?
マスクちゃんが大好きすぎてこんなところにまで変な設定を
※主進のつもりですが、進がガンガン攻めてるので苦手な方ご注意
「ちょ、ちょっと進くん待って!待ってよ!」
「どうしてですか?気持ちよくないですか?」
きょとんとした幼い顔つきで言った進くんは、さも不思議そうにオレの顔を眺めてからうふふと笑った。その顔は、今まで見たことがないくらいに嬉しそうだった。
「パワプロさんのここ、どんどんおっきくなってます。嬉しいな、僕の愛撫で感じてくれるんですね」
「そりゃ気持ちいいけど、でもちょっと待って、そういうことじゃないって!」
そういうことですよ、進くんはそれだけ言うとまたオレの下腹部に顔を埋めるのだった。思うように体に力が入らないので抵抗らしい抵抗もできない。
なんとか手をのばして進くんの髪を触るも、これではまるで催促しているかのようだ。案の定進くんはそういう意味にとったようで、オレの中心をさらに激しく攻め立てた。ああ、気持ちがいい。
体も上手く動かせない上に、意識もまだぼんやりしている。視線をずらした先にはテーブルがあって、そこには綺麗さっぱり食事を終えた後の食器が残っている。それを見てオレは、ここは確かに進くんの部屋で、さっきまで一緒に夕食を食べていたことをしっかりと思い出した。
どうしてこんなことになったのかよく分からない。
声をかけたのは、今日も確かにオレの方だった。
練習が終わった後、いつものように進くんに声をかけた。オレが一軍に上がってから進くんとの距離は急激に縮まって、練習後に二人で食事へ行くのももはや恒例行事のようなものだった。
誘われた進くんはいいですよと笑って、自宅のマンションへと招いてくれたのだった。
進くんのマンションに来るのもこれで何回目かになる。進くんの手料理の味を覚えるほどには、最近のオレはよくここに通っていた。初めのうちこそ何度も自宅へ押し掛けることに気が咎めたのだが、進くんが気にしないでくださいと言って笑うのでオレもそのうち気にしなくなっていた。
進くんの手料理はいつも美味しく、最近ではとても手の込んだものが出されることもしばしばだった。もしかしてオレが来るせいで余計な気を使っているのではないかと尋ねると、一人ではない食事が嬉しくてつい張り切ってしまうんですと進くんは頬っぺたを染めながら教えてくれた。進くんはとてもいい子だ。
そんな感じで今日も二人でおいしく楽しく食事をとっていたはずだった。
しかしながら今思い返してみると、食後に出されたお茶を飲んだ辺りから意識がひどくあいまいになっているような気がする。気分が悪いなら、とベッドを勧められたような気もする。
「パワプロさん、こんな状況で一体何を考えているんですか?」
もっと集中して気持ちよくなってくださいね、言い置いた進くんはオレの額に小さな唇を押し付けると上下に扱く手を早めた。ぼんやりとした頭でも感じる快感だけは鮮明で、あまりの気持ちよさにオレは顔をしかめた。
「進くん、どうして」
「僕ね、パワプロさんのことが好きなんです」
「オレのこと好きって、どういう」
「全く、ほんとうに鈍感ですね、あなたは。そういうところも、またたまりませんけどね」
額に押しあてられた進くんの唇が徐々に下の方へ降りてくる。鼻筋、瞼、頬と順に滑っていって、唇を避けるようにしてそれは首筋へと埋まった。ちくりとした甘い痛みが走る。
「パワプロさんって意外と肌が白いんですね。こんなに赤くなっちゃった」
「進くん、オレは」
胸の突起を指ではじかれて、オレは言葉を飲み込んだ。気持ちいいというよりは、痛いようなくすぐったいような感覚。なにより、男のそんなところをいじるという行為に驚いた。
進くんはオレの顔を眺めながら、指でおしたりつまんだりを繰り返している。
「ふふ。僕がちゃんと気持ちよくしてあげますから安心してくださいね」
そう言うと進くんはオレの胸に舌を這わせてべろりと撫で上げた。ぬるりとした感触に背中がぞわりと粟立つ。片方の突起を指でこねまわしながら、もう片方を唇と舌で愛撫される。
中心を扱かれながら続けられるその行為に、いつしかオレは快感を見出していた。
「う、進っくん…」
「大分良くなってきたみたいですね」
進くんは満足気に言うと、いつものようににっこりと微笑んだ。濡れた唇が蛍光灯の灯りの下で反射してぬらぬらとうごめいている。いつもと同じ顔でいつもと様子の違う進くんにオレは確かに興奮していた。
それでも、この状況に納得がいかないということに変わりはない。
「ねえ、どうしてこんなこと…」
「パワプロさんが言ったからです」
「オレが?」
「僕のこと、お嫁にほしいって言ったじゃないですか」
「それは」
「僕嬉しかったんです。パワプロさんのこと好きだったから。だから、パワプロさんにも僕のことを好きになってもらおうと思ってがんばりました。急成長するあなたに負けないよう練習もいつも以上にたくさんしたし、あなたにおいしいと言ってもらえるのが嬉しくて料理の腕も磨きました。あなたに偶然会えたときの嬉しさが忘れられなくて、あの本屋には何度行ったか分かりません」
「進くん…」
「だけど僕はあなたにこの気持ちを伝える勇気がなかった。あなたも僕の気持ちには全然気が付かなかった」
「…」
「だからね、僕はあなたがおいしいと言ってくれるご飯に一細工したんです」
そう言うと進くんは、どこからか透明な瓶を取り出して軽く振ってみせた。
そこには緑色の錠剤がいくつか入っていて、瓶の中でころころと転がった。
「それは?」
「僕の昔の知り合いに頼んで少しわけてもらったんです。いわゆる媚薬のようなものですね」
「媚薬…」
「いつも僕の作った料理には溶かしたこの薬が混ぜられていたんですが、全然気が付かなかったでしょう?」
もちろん気が付かなかった。進くんの作ったものはなんだっておいしい。オレは何も知らず何も感じずに出されたものをすべて平らげていた。進くんは淡々と続けた。
少しずつ混ぜていればそのうち効果が出るはずだったんですが、パワプロさんには全然効かないみたいで焦りました
薬もあと少しになってしまっていましたから
だから、今日のご飯には、いつもより多く混ぜたんです
それなのにあなたはいつもと変わらないから
最終手段でお茶にも少し盛らせてもらいました
さすがにこれは効果てきめんでしたね、苦笑した進くんは、ちょっとだけ入れすぎましたとオレに対して謝った。
オレはというと何とも返答することができず黙るしかない。もうしばらくすれば体の感覚は戻るはずですと告げた進くんは再び透明な小瓶を持ち上げた。
きゅぽんと蓋を外して、中の錠剤をひとつ取り出す。緑色のそれを眺めながら進くんが微笑する。
「こっちの方が効かないのはどうしてでしょうね。混ぜるだけじゃぬるいみたいだから、今日はこのまま食べてみてください」
失礼します、いささか乱暴にオレの唇を開かせた進くんは、手に持った緑の錠剤をオレの口の中にころんと放り込んだ。噛んでくださいと言われたので、ゆっくりとではあるがオレは言われるままに錠剤を噛み砕いた。味はしなかった。
ごくんと飲み込んだのを見守ると、進くんはうっとりとした表情で笑った。大きな瞳はゆらゆらと揺れていて、瞬くたびに透明なそれが零れ落ちそうだった。
「これでパワプロさんも僕のことを好きになってくれるでしょうか」
「ねえ進くん」
「僕のこと軽蔑してますよね」
「……」
「こんなことされて、気持ち悪いですよね」
「……」
「どうしても我慢できなかったんです」
ごめんなさい、項垂れた進くんの表情はここから窺い知ることができなかった。それでも、彼の手が小刻みに震えていることだけは分かった。進くんの掌から小瓶が転がり落ちる。オレはベッドから転がり落ちようとするそれをとっさに掴んだ。小瓶はちゃんと掌に収まって、徐々にではあるが体が動くようになっていることを知る。
ゆっくりと上体を起こし、小瓶をベッドサイドに置いた。しばらく無言のままの時間が続いたが、肩慣らしとばかりに開いたり閉じたりしていた掌を進くんの頬に触れさせる。
彼はびくりと体を硬直させたまま、それでも顔を上げようとはしなかった。
「ねえ進くん」
「……」
「怒ってないから、顔上げてよ」
「……」
「たしかに、そりゃびっくりしたけどさあ」
「……」
「もうオレのこと嫌になっちゃった?」
「そんなわけないです!」
顔を上げた進くんはやっぱり泣いていた。泣かないように我慢していたのか、鼻の頭が真っ赤になっている。彼が瞬きするたびに目の端から熱い雫が零れ落ちて、シーツとオレの掌を濡らした。
目じりを指でなぞる。
「ごめんなさい」
「とりあえず、もう泣かないで。オレはきみが泣くところを見たくないよ」
「ごめ、なさ…」
「チューしたら泣き止むかな?」
進くんの頬を両の掌ですっぽりと覆い隠して、額をこつんとくっ付けた。びっくりしたらしい進くんは大きな瞳をさらに大きく瞬かせて息を飲んだ。吐息が触れるほど顔を近づけてオレは尋ねる。
「キスしてもいい?」
大きく頷いた進くんの顔を見届けて、オレはそのまま小さな唇に口付けた。そこは甘くて熱くてしょっぱかった。進くんの涙の味だ。彼はいつからこんな風に一人で泣いていたんだろうと勝手な想像をしながら、オレは角度を変えて何度も何度も唇を合わせた。
オレがあんまりしつこく舌を絡めるものだから進くんは苦しそうに息を漏らして、そこでオレはようやく我に返って唇を離した。
せっかく涙の味がしなくなるまで舐めたというのに、顔を離すと進くんはまた泣き出してしまうのだった。息も絶え絶えにして嗚咽まで上げて泣くので、オレはいよいよ困窮して打つ手がなくなってしまった。
「ご、ごめんそんなに下手くそだったかなオレのキス…確かに自信はなかったけどでもそんな」
「ちがうんです、ちがうんです…嬉しくて」
ぽろぽろと惜しげもなく涙をこぼしながら、それでも進くんは今日見た中でいちばん柔らかい顔で笑ってくれた。もう一度嬉しいですと続けた彼はオレの胸に顔を押し付けた。
「本当にごめんなさい、こんなことして…」
「もういいよ。でも、ちゃんと反省してる?」
「はい…」
「じゃあさ」
こほんとひとつ咳払いをして、オレは進くんの耳に囁いた。大きな声で言うのは恥ずかしかったからだ。
「オレのここ、まだこんなことになってるんだけど、最後までしてくれる?」
進くんは驚いた顔をした後、すぐににっこりと笑ってもちろんです!と答えてくれた。その笑顔はあまりに眩しすぎてオレは直視することができない。
再び重ねられた唇に、そういえばまだ好きだと言っていないことに気が付いたが、とろけるような甘いキスに唇を離すのが惜しくなり、オレは心の中で奥歯も凍るような甘いセリフを囁いて目を閉じた。
愛しているの言葉は、もう少しだけ先にとっておこう。それはきっと、これから飽きるほど何度でも言うことになる言葉のはずだ。
―――――――――
盛っちゃいました系の主進。進くんは何しててもかわいいからすごいわあ
2010の手料理イベで体力の最大値が上がるのはなんでかな!と思ったらこんなんできました
進が昔の知り合い~とか言ってるのはダイジョーブ博士とか加藤先生かな?
マスクちゃんが大好きすぎてこんなところにまで変な設定を
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