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結んだら開いて

主人公と進


「進くん、誕生日おめでとう!」

そう言ったパワプロさんはにっこり微笑むと手に持っていた包みを差し出した。受け取ったものの、唐突なそれにどう反応したらいいのか分からない。ぱちぱちと瞬きをして、にこにこしている彼と薄桃色の包みとを交互に見やった。手の平ほどの大きさのそれには、淡い桃色の包装紙に赤いリボンが巻かれていた。先端に凝った細工が施されているリボンが風に揺れる。

「あれ、今日って進くんの誕生日だよね?」
「え、ええ、そうです…ありがとうございます」
「この前急に言うからさー!分かってたらもっといいもの用意できたのに」

それは来年で勘弁な、そう言った彼はどこまでも屈託がなくほんの少しだけ照れくさそうに笑った。
手の中の包みに目を落とす。なんだろうとは思ったものの、見た目通りだとしたらきっと自分の予想は当たっていることだろう。

「食べれるものの方が嬉しいと思ってチョコにしたんだ~。なんかね、有名店の有名パティシエが作ったなんとかなんとかだって」
「ふふ、それじゃなんにも分かりませんよ」
「あはは、せっかく調べて買ってきたのに忘れちゃったよ。進くん、甘いもの好きって言ってたよね?」
「はい、大好きです」

ありがとうございますと改めて礼を述べると、パワプロさんは少しだけほっぺたを赤くして僕の髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。照れたときに彼がするいつもの動作であった。くしゃくしゃと心まで撫でられたようにくすぐったくなる。彼からもらえる誕生日プレゼントはもちろん心から嬉しかったが、今回はそれよりももっと嬉しいことがあった。

「ねえパワプロさん、今日って何の日か知ってます?」
「え?だから進くんの誕生日だろ?」

首を捻っているパワプロさんには本当に何の日か分かっていないようだった。その様子を見ていると自然と頬が緩む。
今日は2月14日、確かに、僕の生まれた日だ。誕生日で間違っていない。
だけど、それ以上にもっと大切なイベントが世間では行われているはずなのだ。

「パワプロさん、本当にありがとうございました」
「いいよいいよ、そんな改まらなくて」
「返事はもちろんオーケーですから、来月のお返しを楽しみにしていてくださいね」
「へ?来月?」

未だ要領を得ない様子のパワプロさんに、僕は満面の笑みで返答をする。
今日はバレンタインデーの日だ。そして僕の誕生日。
もらったからには、お返しをするのが当然であろう。パワプロさんの好意に応えるのが僕の義務である。

「お返しなんて気にしなくていいのに、進くんはほんと真面目だなあ」

やっぱりなんにも分かっていないらしい様子の彼が愛おしく、僕はもらった包みを両手で抱えなおす。
そのときは100倍でお返ししますから、どうか覚悟しておいてくださいね。


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進くんお誕生日おめでとう!
ハッピーバースデイバレンタインでかわいすぎますでしょ主進
誕生日を言うと絶対「バレンタインだね」と言われてきた進にとって誕生日>バレンタインなのはとっても嬉しかっただろうな、という妄想


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