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讃美歌とエゴイスト

讃美歌とエゴイスト(猪狩進)

 誓いの口付け。それを参列者席から遠目に見たとき、僕はようやく目の前の現実が腹の中に落ちたような気がした。正装する新郎の隣に立つのは、白いドレスの人。新郎、神童裕二郎。新婦の名前は、もちろん招待状にも書いてあったはずだが、何度読んでも文字が頭を滑るのみで覚えることが出来なかった。よく晴れた、この春のよき日に、神童さんは結婚する。
 神父の前で永遠の愛を誓った新郎が、花嫁のベールを持ち上げる。差し込む柔らかな光がその横顔を照らして、まるで世界が、この世のすべてが、二人を祝福しているような錯覚さえ覚えた。そのくらい美しかった。愛を誓い合った二人は、静かに口付けを交わす。切り取られた絵画のように美しい二人が、幸せを惜しみなく纏って、微笑んだ。
 気が付けば、辺りは拍手に包まれていた。温かで、幸せで、柔らかな拍手の雨。僕は無意識に叩いていた手をさらに大きく鳴らして、自分の口角がきちんと上がっていることを確認して安心した。
 降り注ぐ拍手のシャワーの中を、新郎に手を引かれた花嫁が歩き出す。神童さんの隣を歩く白いドレスの人。僕はべつに、その人になりたいわけではなかった。悔しいとも悲しいとも思わなかった。湧き上がる感情はひとつだけ。好きになりたくなかった。



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神童さん見てると、××してぇ〜と無性に思う時があるので誰か助けてください
ただの逆恨みです、えへへ

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