そんなわけないだろ
そんなわけないだろ(主友)
友沢って、性欲ないのかな。そう思ってしまうのも仕方がないほど、隣を歩く男は今日も澄ました顔をしていて、オレはそのきれいな横顔にこっそりと目をやりながら心の中で息をついた。
友沢というのは同級生男子のことで、同じ野球部のチームメイトでもある。出会った初めこそ口数も少なく何を考えているのかよく分からなかったが、ひと夏、そしてもうひと夏と越す頃には随分と距離も近しくなって、気が付けばいつしか惹かれ合っていた。確かに告白をしたのはオレの方だったし、友沢の返事といえばいつものように素っ気ないものだったが、気恥ずかしそうに逃した視線や頬を染めながら初めて見せるその表情は、言葉なんかよりもずっと雄弁に友沢の気持ちを語っていた。
そうして始まったオレと友沢の交際は、順調かつ順当に清く正しい。二人で並んで歩く帰り道、たまに寄り道をする公園、コンビニ、時々は手を繋いだり、別れ際にキスをしたりもした。それでも、友沢はいつだって表情ひとつ崩さずに、涼しい顔をしている。
それどころか、この前ははっきりと拒絶をされてしまった。練習に熱が入り、結局最後まで残っていたのはオレと友沢の二人だけ、遅くまで居残り練習をしていたあの日。あの日はどうしても離れがたくて、いつものように澄ましている友沢のその先の表情が見てみたくて、何よりもっと友沢に触れたくなって、少しだけ強引にキスをした。常ならば唇同士が触れるだけのそれに、舌を捻じ込ませた。その瞬間、強い力で押し返される。こちらが悪かったのも強引だったのも重々承知しているが、なにも突き飛ばさなくても。驚いたままごめんと言ったオレの声だけが、グラウンドの真ん中で妙に響いて聞こえていた。
「じゃあ、飲み物取ってくるから、ちょっと待ってて」
そういうことを考えながら歩いていたら、あっという間に家に着いていた。自分の部屋に友沢がいるのは、不思議な感覚だった。帰ってきたオレたちと入れ違いで母さんは買い物に出て行ったから、正真正銘の二人きり。本当ならもっと緊張とか期待とかしてしまうのかもしれないけど、この前のことがあったから、さすがのオレもそんな気持ちにはならなかった。無理強いするのは絶対に嫌だったし、友沢がしたくないなら、オレは我慢できる。我慢してみせる。名目上はまもなくやってくる期末テストに向けて勉強をするために集まったのだから、勉学に励めばいいのだ。オレと友沢が集まったところで、どれほどの効果があるのかは知らないが。
「おい」
「ん?」
ドアノブを回して部屋から出ようとしたところを呼び止められ、振り返ったらそのまま腕を掴まれた。なんだと思っているうちにベッドの上に投げ出されて、呆気に取られて目を丸くしていると友沢も同じくベッドに乗り上げた。横になった自分の身体の上に友沢が跨って、そのままキス。胸ぐらを掴まれて、もう一度。躊躇うことなく差し入れられた友沢の舌の感覚にオレの頭はそこでようやく現実に追いついて、声を上げた。待て。待て待て待て。なにが起こっている。
「待っ……待てって、友沢!急にどうしたんだよ!」
「なんだ、したくないのか」
「そういうことじゃなくて、急すぎるだろ!」
「急じゃない」
「だってお前、この前キスしたら突き飛ばしたじゃんか」
「……」
「友沢はそういうことしたくないのかと思ってたし……いつも涼しい顔してるから、性欲とかないのかなって思ってた」
「バーカ」
こちらを見下ろした友沢が、挑発的な表情で微笑んでみせる。
「そんなわけないだろ」
「じゃあ、なんで」
「外で我慢出来なくなったら困るだろ」
「え」
友沢の唇に飲み込まれて、オレの言葉はそこで途切れる。柔らかくて、熱い。息を継ぐために吐き出す友沢の吐息が妙に生々しくて、オレは難しいことを考えていられなくなる。それでもこのままやられっぱなしではいられないと、乗り上げた友沢の手を引いてオレはぎゅうと力いっぱい抱き締めた。思わず勢い余って布団の上で転がると、腕の中の友沢は声を出して笑っていた。
「友沢、お前そんな顔して笑うんだな」
「そりゃ笑うだろ」
「もっと見せて」
途端恥じらう友沢の顔をつかまえて、オレは優しくキスをした。目蓋を下ろした友沢はやっぱり笑っているように見えたから、オレも一緒に笑った。
了
ーーーーーーーー
友沢ーーーー!!!!!!!!!!
一行目の問いにタイトルで答える意欲作ですね
友沢に胸ぐら掴まれてキスされる主人公ちゃん好き好き侍です
主人公ちゃんの胸ぐら掴んでキスする友沢くん好き好き好き侍です
友沢って、性欲ないのかな。そう思ってしまうのも仕方がないほど、隣を歩く男は今日も澄ました顔をしていて、オレはそのきれいな横顔にこっそりと目をやりながら心の中で息をついた。
友沢というのは同級生男子のことで、同じ野球部のチームメイトでもある。出会った初めこそ口数も少なく何を考えているのかよく分からなかったが、ひと夏、そしてもうひと夏と越す頃には随分と距離も近しくなって、気が付けばいつしか惹かれ合っていた。確かに告白をしたのはオレの方だったし、友沢の返事といえばいつものように素っ気ないものだったが、気恥ずかしそうに逃した視線や頬を染めながら初めて見せるその表情は、言葉なんかよりもずっと雄弁に友沢の気持ちを語っていた。
そうして始まったオレと友沢の交際は、順調かつ順当に清く正しい。二人で並んで歩く帰り道、たまに寄り道をする公園、コンビニ、時々は手を繋いだり、別れ際にキスをしたりもした。それでも、友沢はいつだって表情ひとつ崩さずに、涼しい顔をしている。
それどころか、この前ははっきりと拒絶をされてしまった。練習に熱が入り、結局最後まで残っていたのはオレと友沢の二人だけ、遅くまで居残り練習をしていたあの日。あの日はどうしても離れがたくて、いつものように澄ましている友沢のその先の表情が見てみたくて、何よりもっと友沢に触れたくなって、少しだけ強引にキスをした。常ならば唇同士が触れるだけのそれに、舌を捻じ込ませた。その瞬間、強い力で押し返される。こちらが悪かったのも強引だったのも重々承知しているが、なにも突き飛ばさなくても。驚いたままごめんと言ったオレの声だけが、グラウンドの真ん中で妙に響いて聞こえていた。
「じゃあ、飲み物取ってくるから、ちょっと待ってて」
そういうことを考えながら歩いていたら、あっという間に家に着いていた。自分の部屋に友沢がいるのは、不思議な感覚だった。帰ってきたオレたちと入れ違いで母さんは買い物に出て行ったから、正真正銘の二人きり。本当ならもっと緊張とか期待とかしてしまうのかもしれないけど、この前のことがあったから、さすがのオレもそんな気持ちにはならなかった。無理強いするのは絶対に嫌だったし、友沢がしたくないなら、オレは我慢できる。我慢してみせる。名目上はまもなくやってくる期末テストに向けて勉強をするために集まったのだから、勉学に励めばいいのだ。オレと友沢が集まったところで、どれほどの効果があるのかは知らないが。
「おい」
「ん?」
ドアノブを回して部屋から出ようとしたところを呼び止められ、振り返ったらそのまま腕を掴まれた。なんだと思っているうちにベッドの上に投げ出されて、呆気に取られて目を丸くしていると友沢も同じくベッドに乗り上げた。横になった自分の身体の上に友沢が跨って、そのままキス。胸ぐらを掴まれて、もう一度。躊躇うことなく差し入れられた友沢の舌の感覚にオレの頭はそこでようやく現実に追いついて、声を上げた。待て。待て待て待て。なにが起こっている。
「待っ……待てって、友沢!急にどうしたんだよ!」
「なんだ、したくないのか」
「そういうことじゃなくて、急すぎるだろ!」
「急じゃない」
「だってお前、この前キスしたら突き飛ばしたじゃんか」
「……」
「友沢はそういうことしたくないのかと思ってたし……いつも涼しい顔してるから、性欲とかないのかなって思ってた」
「バーカ」
こちらを見下ろした友沢が、挑発的な表情で微笑んでみせる。
「そんなわけないだろ」
「じゃあ、なんで」
「外で我慢出来なくなったら困るだろ」
「え」
友沢の唇に飲み込まれて、オレの言葉はそこで途切れる。柔らかくて、熱い。息を継ぐために吐き出す友沢の吐息が妙に生々しくて、オレは難しいことを考えていられなくなる。それでもこのままやられっぱなしではいられないと、乗り上げた友沢の手を引いてオレはぎゅうと力いっぱい抱き締めた。思わず勢い余って布団の上で転がると、腕の中の友沢は声を出して笑っていた。
「友沢、お前そんな顔して笑うんだな」
「そりゃ笑うだろ」
「もっと見せて」
途端恥じらう友沢の顔をつかまえて、オレは優しくキスをした。目蓋を下ろした友沢はやっぱり笑っているように見えたから、オレも一緒に笑った。
了
ーーーーーーーー
友沢ーーーー!!!!!!!!!!
一行目の問いにタイトルで答える意欲作ですね
友沢に胸ぐら掴まれてキスされる主人公ちゃん好き好き侍です
主人公ちゃんの胸ぐら掴んでキスする友沢くん好き好き好き侍です
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