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Happy Yellow

Happy Yellow (友沢亮)

「えっ。友沢の髪って地毛なの!?」
「そうだよ。なんだと思ってたんだ」
「てっきり、染めてるもんだと」
「どこにそんな金と時間があるんだよ」
「確かに…」
 パワプロは得心顔をしながら、まじまじと自分の頭を眺めている。真剣な眼差しは友沢を落ち着かない気分にさせ、手持ち無沙汰に視線を泳がせた。逸らされることのない真っ直ぐな視線が、普段余計なことを言わない友沢の口をさらに開かせる。
「お前、朋恵や翔太も見てるだろ」
「確かに!朋恵ちゃんも翔太くんも、きれいな髪だもんな」
 羨ましいなあ。隣を歩く男はそんな呑気なことを言っている。「羨ましい」、その言葉がどの意味に掛かるものなのか友沢は考える。一人っ子ゆえに兄妹が羨ましいという意味なのか、それともこの髪色のことなのか。友沢は毎日幼い兄妹の迎えに行くのだが、パワプロもたびたび幼稚園まで着いて来るのだった。今では朋恵も翔太もすっかり懐いてしまった。
 それにしても、この髪で良かったことなんて今までにひとつもなかった。大袈裟に言えば、苦労の連続だ。教師や上級生には真っ先に目を付けられたし、時には不良に絡まれることもあった。あんまりそんなことが続いたので、友沢は一時期合気道を習っていたほどだ。
 父も母も色素が薄く、特に髪の色は黄色に近い茶であった。その遺伝子を特に強く受け継いだらしい自分の髪は日本人離れした明るい色だ。太陽の下、日に当たるとそれはまるで金色のようにも見えた。
「いいなあ」
「何が」
「友沢の髪」
「どこが」
「だって、めっちゃ綺麗じゃん!」
 真っ直ぐこちらを見て、あんまりきらきらした目で言うものだから、友沢はつい、笑ってしまった。笑われた男は、憮然とした顔で唇を突き出してみせた。
「なんで笑うの」
「いや、悪い。面白くて」
 監督の都合で、早く終わった部活動の帰り道。たまの休みにお互い浮かれているのか、妙に賑やかな帰路だった。だから友沢は思わず「触ってみるか」などと言ってしまったに違いない。それに嬉々として応えた男に、友沢は自分の髪を誇らしく、幸運だと思うのだった。




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イエローイエローハッピー!

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