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おはなしはここでおわり

「そうして二人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
「なんだ、それで終わりか」
 隣で寝転んでいる猪狩がいかにもつまらなさそうな声で言った。このままだと次を読めとでも言われそうなので、オレは先に牽制する。
「ていうか、なんでオレが猪狩に絵本の読み聞かせしてんの?おかしくない?」
「キミが、自分でも読めると言い出したからだろう」
「それはまあ、言ったけど」
 発端は本当につまらないことで、オーディオブックを聞いていた猪狩が構ってくれなくて退屈だったから、そんなものはオレにでも読めるなどと言ってしまったことが始まりだった。読書の時間を邪魔された猪狩は、それなら読んでもらおうじゃないかと、なぜだか知らないが絵本を持って来た。聞けば、わざわざ実家から取り寄せたらしい。猪狩は昔からよく分からないところがあるし、意外とお茶目だ。本人は全くそのような自覚がないところも含めて諸々と。
「ていうか、本増えてない?しかも童話ばっかりじゃん」
「最近、童話の良さに改めて気付いたんだ」
「なんで」
「うるさいな、べつにいいだろ」
 昨日は北風と太陽、その前は鶴の恩返し、今日はシンデレラだ。国もジャンルも趣味もバラバラで、猪狩の考えていることはよく分からない。本を置くと、続きをねだる目で猪狩がこちらを見ていた。
「どうした?」
 少しだけいじわるをして聞き返すと、猪狩は興味を失くしたようにぷいとそっぽを向いた。本当は分かっている。猪狩がただ甘えるための口実を得ているだけなのも、寝転んで本を読む間は黙ってそばにいられると思っているのも。だから、お話はこれでおしまい。電気を消したら、今度はオレが猪狩に甘えさせてもらう番だから。




ーーーーーーーーー
ギャグです!

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