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檸檬と苺

檸檬と苺 (主人公×猪狩守)

「猪狩、飴たべる?」
 本を読んでいた手元から顔を上げると、すぐ後ろにパワプロが立っていた。昨日は練習が終わった後に一緒に食事をして、そのあとはパワプロのマンションに泊まったのだった。今日は久しぶりのオフだ。
「いらない」
「フルーツのど飴だけど」
「のど飴か。それなら一つ貰おう」
 朝起きてボクがシャワーを浴びている間に、パワプロはコンビニにでも行っていたらしい。右手に下げたビニールからのど飴の袋を取り出す。
「何味がいい?レモン、イチゴ、メロン」
「イチゴ」
 袋から飴をひとつ取り出すと、パワプロはそれを自分の口の中に入れてしまった。わざわざ味を尋ねたのは、ボクにくれるためではなかったのか。こいつのやることは時々よく分からない。
「ボクもひとつ貰うぞ」
 飴を取るために伸ばした手を掴まれて、なんだと思って顔を上げたところに唇を押し当てられる。口の中に残るのは、レモンの味。
「…普通にくれないか」
「いいじゃん、たまには」
「しかも、イチゴじゃない」
「ほら、キスと言ったらレモン味だろ」
 意味不明なことを言ったパワプロは、もうひとつ飴の袋を開けて、自分の口の中に放り込んだ。それをころころと転がしながら機嫌が良さそうに笑っている。
「猪狩、お前、シャワー行く前にのど飴探してただろ」
「よく分かったな」
「いやあ、昨日は久々だったし、ちょっと無理させちゃったからさ。あんだけ声出してたら、喉も痛いかなって」
 台詞の意味を反芻し、一拍置いてようやく理解したボクは、果たしてどんな顔をしていたのだろう。顔に熱が集まっているのが、自分でもよく分かった。その証拠に、パワプロは「イチゴみたいな顔してるぞ」などと、またしても馬鹿なことを言っている。その間抜けな顔を睨め付けてみても、パワプロはどこ吹く風で笑うばかりだ。
「ほら、イチゴもやるから機嫌直せよ」
 イチゴなのかレモンなのか、絡まるうちに分からなくなるそれに、ボクは観念したように目を閉じた。




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安定の純ポエムですね
主守はいいものだ

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