続きはリアルで
9/主守
「あっ、猪狩、この」
「フン、もらった!」
「二人とも、そろそろオイラにも変わるでやんす」
コントローラーを握りしめたまま、矢部くんごめんと言いながら再戦のボタンを選択する。
だって負けたまま終わりにするなんて悔しいじゃないか。
そういうわけでオレと猪狩はさっきからかれこれ小一時間ほどゲームに噛り付いている。
今まで野球にしか興味がないと思っていた猪狩は、意外にもゲームが上手かった。
やっぱり、進くんと一緒に遊んだりするのだろうか。だとしたらちょっとカワイイ。
負けず嫌いなこいつのことだから、ゲームだってたぶん勝つまでやめないんだろう。…今のオレみたいに。
「ふう。結構疲れたな。矢部、交代だ」
「やったでやんす!」
「おい猪狩、勝ち逃げはずるいぞ!」
「ハハハ、キミごときでは何度やったって同じことだよ」
ピコピコとゲーム画面を操作しながら隣にいる猪狩の様子をうかがう。結構機嫌が良さそうだ。
半ば無理やり誘ってしまったが、楽しそうにしている猪狩の様子を見てオレはほっとしていた。
しかし、猪狩が自分の部屋にいるというのはどうにも不思議な感じだ。
しかも、この流れからしておそらく泊まっていくことになるだろう。
ベッドに腰掛けている猪狩をちらちらと気にしていたら、オレは矢部くんにまでもあっさり負けてしまった。
「あー!」
「やったでやんす!勝ったでやんす!」
「負けた…」
「パワプロくん結構たいしたことないでやんす」
「ハハハ、矢部の言うとおりだね」
言っていることはムカつくが、無邪気に笑っている猪狩を見られるのは嬉しい。
こんなに喜んでくれるのなら、もっと早くに誘っていればよかった。
しかし、楽しい時間はすぐに過ぎてしまうものだ。時計を見ると、まもなく0時になるところだった。
「ふー。面白かったね。そろそろ寝ようか」
「フフ、夜はこれからでやんすよ。パワプロくん、実はオイラ面白いモノを持ってきたでやんす」
じゃーん!という効果音付きで出されたそれは、健全な男子高校生ならば誰もが興味のある代物だった。
パッケージだけで、かなりキワドイものだということが分かる。
「こ、これは!」
「秘密のビデオでやんす。先輩からもらったでやんす」
「先輩ってだれ?」
一応聞いてみるが、当の矢部くんはどこ吹く風でにやにやしている
先輩って…いったい誰だろう。すごく気になる。
「おいおい、ボクはこんなものには興味ないぞ!」
今まで黙っていた猪狩がびっくりしたように口を開いた。
ほんのり頬が上気しているように見えるのは、オレの欲目が為せる技か。
珍しくあわてているらしいその様子がカワイイ。
普段は野球の鬼である猪狩だってオレたちと同じ健全な男子高校生だ。
猪狩がコレを見てどういう反応をするのか気になる。とても気になる。
猪狩のことだ、少しでも機嫌を損ねれば「帰る」とでも言い出しそうだが、オレは一か八か煽ってみることにした。
「ほほー、怖いのかい?猪狩?」
「そういうキミこそどうなんだい?」
思った通り、予想通りの反応だ。案の定猪狩は乗ってきた。
オレも甘んじて挑発に乗ることにする。ノリというのは大切だ。
「なに!いいだろう!矢部くん、スイッチオンだ!」
「合点でやんす!」
素早い矢部くんはさっそくビデオを取り出してデッキにセットした。
ぽち、とリモコンを操作すると、さっそく画面が現れた。
「ねえ矢部くん、実はオレ、こういうのテレビで見るの初めてなんだよね」
「実を言うとオイラもでやんす。こんなの居間のテレビじゃ見れないでやんす」
「……」
オレと矢部くんが会話をしている横で猪狩は頑なに口を閉ざしていた。
なんだかんだで黙って見ている猪狩に顔がゆるんでしまいそうになる。
普段、猪狩はどうしているんだろう。
いくら野球一筋だからといって、年頃の男だ。なにをせずとも溜まるもんは溜まるというものだ。
そんなことを悶々と考えていたら、画面の中の人たちの濃厚な絡みが始まった。
うーん、これはすごいな。
「オイラ、トイレに行ってくるでやんす」
「…矢部くん、もっとこっそり行ったら」
てへぺろでやんす、と矢部くんは言い残して部屋を出て行った。
残ったのは、オレと猪狩だけ。
正直オレは、画面の中のことよりも、猪狩のことが気になって仕方がなかった。
目の前のAVよりも猪狩の方が気になるだなんて、オレというやつはどうかしている。
そうは言いながらも、気になるものは気になるので、オレは隣にいる猪狩の様子をそっと窺ってみた。
(真顔って…)
画面の中の人たちは盛り上がりの最高潮だったが、それを見つめる猪狩はいつもと変わらない涼しい顔をしていた。
こういうものを見ても、天才猪狩守は反応しないのだろうか。
「猪狩」
「…なんだよ」
「普段こういうの見る?」
「そんなのキミに話す義務はないだろ」
「見るんだ」
「どうだっていいだろ」
「どういうのが好きなんだ?」
興味津々で聞いてみると、猪狩はいつもの人を心底ばかにしたような目で言い返してきた。
「キミには関係ない」
「関係ないけど、気になるだろ。あ、ちなみにオレは」
「戻ったでやんす!これでスッキリ寝られるでやんす!」
「…矢部くん、もう少しデリカシーってものを持とうよ」
矢部くんが戻ってきたところでビデオも丁度フィニッシュを迎えたので、キリよく鑑賞会は終わりを迎えることとなった。
パワプロくんはトイレいいでやんすか?と矢部くんに聞かれたので、ありがたく席を立つことにした。
オレだって健全な男子高校生だ!
スッキリして戻ると、オレが押入れからひっぱりだしてきた布団がキレイに敷かれていた。
枕代わりの座布団をぱふぱふと叩きながら矢部くんが言う。
「パワプロくんの部屋、やっぱり広いでやんす。布団を敷いてもまだ余裕があるなんて羨ましいでやんす」
「はは、そんなことないよ…って猪狩、お前なにしてるんだよ」
「ボクがキミたちと一緒に雑魚寝なんてできるわけないだろう?ボクはこっちのベッドを使わせてもらうよ。寝心地は悪いがこの際仕方ない。あ、それからさっき洗面所で新品の歯ブラシを見つけたので使わせてもらったよ」
「猪狩、お前人んちでくつろぎすぎだろ…」
「猪狩くんがマイペースなのはいつものことでやんす」
「それもそうだね…」
早速猪狩は布団にもぐりこんで寝ようとしている。なんというやつだろう。
しかし、猪狩らしいと言えば猪狩らしい。
「電気消すでやんすよ」
「あ、矢部くんお願い」
電気が消されて途端に部屋が真っ暗になる。
布団にもぐりこむとさすがに疲れがやってきてすぐに眠くなった。
練習が終わった後に夜中までゲームをしてその後ビデオまで見ていたのだから当然だ。
しかし、心身共にスッキリしていてすがすがしいくらいだった。
寝返りをうつと、もうすでに寝入ってしまったらしい矢部くんの盛大ないびきが聞こえてくる。
矢部くん、相変わらず豪快な寝相だ。
ベッドの方を見ると、もぞもぞと寝返りをうっている猪狩が目に入った。
「猪狩、起きてるんだろ」
「……」
「寝れないのか?」
「寝れるさ」
「あ、やっぱり起きてる」
「……」
「なあ、お前は平気なのか」
「なにがだい」
「なにって、ナニだよ。あんなの見てオレは平気じゃいられないけど。…オレだったら、絶対そのままじゃ寝れないし」
「ボクはキミたちとは違う」
矢部くんのいびきを聞きながら二人でぼそぼそと喋る。気にしなくても、矢部くんが起きる心配はなさそうだ。
オレは布団から起き上がって猪狩を見た。
「猪狩、トイレ行って来いよ。矢部くんには黙っとくし」
「いいって言ってるだろ。しつこいな。ボクは平気だ」
猪狩が寝返りを打ってそっぽを向いてしまったので、オレは立ち上がって猪狩の顔を覗き込むようにして見てみた。
なんだコイツ睫毛長いな、そんなことを思っていたら猪狩はびっくりしたような顔をして布団から起き上がった。
「何をしているんだ、キミは!」
「本当は猪狩、かなり我慢してるんだろ」
「してないって言ってるだろ。いい加減しつこいぞ」
「嘘。だって…」
布団越しに猪狩の下半身に触れると、猪狩は大げさすぎるほどに反応してみせた。
しまった、というように目をそらす様子が何とも言えない。
「ほら」
「…今のはキミが変なところを触ったからだ」
「ふーん」
布団をはぎ取って猪狩のジャージに目をやると、ジャージごしにでも反応しているのが見て取れた。
「これでもまだ我慢してないって言うの?」
「…うるさいな。関係ないだろ」
「すごい、ジャージごしにでもはっきり分かる」
「見るな!」
「な、そんなんじゃつらいだろ?」
ジャージの上から撫でるように猪狩のものに触れる。
オレの手の動きに合わせて猪狩は小さく反応していた。
声を上げないように歯を食いしばっている様子が暗闇の中でもよく分かる。
電気を消してから時間がたっているので、大分目も慣れてきた。うるんだ猪狩の瞳が闇の中でよく映えている。
お前、それは誘ってるって言うんだぞ。
「猪狩、オレが楽にしてやるよ」
「ばか、やめろ!」
ジャージの中に手を突っ込んで、直に触れる。
すでに固く持ち上がっているそれを包むように掌で触ると、気持ちがいいのか猪狩はこちらにしなだれかかったまま動かなくなってしまった。
声を我慢しているらしい、浅い息遣いがオレを刺激する。
「う、あ…」
「猪狩」
「!」
顔を上げたところにチュッと口付ける。驚いたらしい猪狩は目をまんまるにさせている。
こういう顔もするのか、新しい発見だ。
もう一度ゆっくりと唇を合わせると、観念したように猪狩も瞼を下して身を預けてきた。
キスに夢中になりながらも、上下に扱く手は休めない。
先走りで濡れた先端を親指でこすると、猪狩は小さく息をついては快楽をやりすごしているようだった。
ここまできて往生際が悪い。
「猪狩、気持ち良いときは我慢しちゃダメだよ」
「なにを…」
「こうすると気持ちいいだろ?」
「あ、あ…」
「オレも男だから分かるし…そっかー、猪狩もココがいいのか」
「っ…」
「もういきそう?」
「聞くな、ばか…」
「ほんとに素直じゃないな、お前は…」
耳元で囁いて、そのまま舌を耳の中に侵入させる。
猪狩の浅い息遣いがだんだんと荒くなっていって、我慢できないらしい声が漏れていた。どうやら絶頂が近いらしい。
悪態をつく余裕もないようで、猪狩は黙って身を任せている。
苦しそうに掌で口を覆うので、代わりとばかりに唇で塞いでやった。
これで声も漏れないだろう。オレも気持ちが良いし、一石二鳥だ。
「ダメだ…っ」
「いっていいよ、猪狩」
扱く手に少しだけ力を加えると、猪狩はあっけなく果ててしまった。
手の中に吐き出される熱いものに満足をして、オレは猪狩の額にひとつキスを落とした。
汗ばんでいて、少しだけしょっぱい。
「へへ。気持ちよかっただろ」
「…キミは本当に愚かだな」
呆れたような顔をする猪狩の顔が今だけは一段とかわいらしく見えたので、オレはもう一度だけ猪狩の唇を塞いで目を閉じた。
「…っていう夢を見てしまったんだよ矢部くん!どうしよう!オレどうしよう!…もう猪狩の顔まともに見れないよー!!」
「なんでそれをオイラに言うでやんすか…」
「誰かに相談しないとなんかいたたまれなくて!だってありえないだろ、いくら毎日野球野球で飢えてるからって、これはないって!」
「パワプロくんの深層に潜む欲求でやんす」
「それはない!!」
「ハハハ、二軍コンビくんたちは今日も楽しそうだね」
「!」
今日も素敵に嫌味に現れた猪狩は、すがすがしいほどの笑顔を浮かべながらこちらに歩いてきた。
いつもなら売られた喧嘩を買いに行くところだが、今日はあいにくそうはいかない。
ユニフォーム姿のコイツを見てドキドキするなんてオレはどうかしている。
「?なんだい、変な顔が余計に変だよ」
「…。矢部くん、今日暇だよね?」
「暇でやんす」
「じゃあ、いいよね」
「おいおい、ボクにも分かるように話してくれないか。パワプロ、だいたいお前今日はなんだか変だぞ」
矢部くんの顔をちらっと見ると、なんとなく察しがついたようで何も言わずにこちらの言葉を待っていた。
眼鏡の奥の目が笑っているので、どうやらオレの考えはバレバレらしい。
事の顛末を見守ろうという魂胆だ。
「おい、パワプロ」
「猪狩、今日オレの家でゲームするんだ。お前も来ないか?」
続きはリアルで
――――――――
ピクシブよりお引越し
男三人でお泊りゲーム会してさらにAV鑑賞会をする9の破壊力
ライバルで友達で恋人で、ひとつぶで無限においしいのが猪狩守くんと主人公
ということを最初の最初から言っていた辺り主守の軸はこのときから確立されていたよう
「あっ、猪狩、この」
「フン、もらった!」
「二人とも、そろそろオイラにも変わるでやんす」
コントローラーを握りしめたまま、矢部くんごめんと言いながら再戦のボタンを選択する。
だって負けたまま終わりにするなんて悔しいじゃないか。
そういうわけでオレと猪狩はさっきからかれこれ小一時間ほどゲームに噛り付いている。
今まで野球にしか興味がないと思っていた猪狩は、意外にもゲームが上手かった。
やっぱり、進くんと一緒に遊んだりするのだろうか。だとしたらちょっとカワイイ。
負けず嫌いなこいつのことだから、ゲームだってたぶん勝つまでやめないんだろう。…今のオレみたいに。
「ふう。結構疲れたな。矢部、交代だ」
「やったでやんす!」
「おい猪狩、勝ち逃げはずるいぞ!」
「ハハハ、キミごときでは何度やったって同じことだよ」
ピコピコとゲーム画面を操作しながら隣にいる猪狩の様子をうかがう。結構機嫌が良さそうだ。
半ば無理やり誘ってしまったが、楽しそうにしている猪狩の様子を見てオレはほっとしていた。
しかし、猪狩が自分の部屋にいるというのはどうにも不思議な感じだ。
しかも、この流れからしておそらく泊まっていくことになるだろう。
ベッドに腰掛けている猪狩をちらちらと気にしていたら、オレは矢部くんにまでもあっさり負けてしまった。
「あー!」
「やったでやんす!勝ったでやんす!」
「負けた…」
「パワプロくん結構たいしたことないでやんす」
「ハハハ、矢部の言うとおりだね」
言っていることはムカつくが、無邪気に笑っている猪狩を見られるのは嬉しい。
こんなに喜んでくれるのなら、もっと早くに誘っていればよかった。
しかし、楽しい時間はすぐに過ぎてしまうものだ。時計を見ると、まもなく0時になるところだった。
「ふー。面白かったね。そろそろ寝ようか」
「フフ、夜はこれからでやんすよ。パワプロくん、実はオイラ面白いモノを持ってきたでやんす」
じゃーん!という効果音付きで出されたそれは、健全な男子高校生ならば誰もが興味のある代物だった。
パッケージだけで、かなりキワドイものだということが分かる。
「こ、これは!」
「秘密のビデオでやんす。先輩からもらったでやんす」
「先輩ってだれ?」
一応聞いてみるが、当の矢部くんはどこ吹く風でにやにやしている
先輩って…いったい誰だろう。すごく気になる。
「おいおい、ボクはこんなものには興味ないぞ!」
今まで黙っていた猪狩がびっくりしたように口を開いた。
ほんのり頬が上気しているように見えるのは、オレの欲目が為せる技か。
珍しくあわてているらしいその様子がカワイイ。
普段は野球の鬼である猪狩だってオレたちと同じ健全な男子高校生だ。
猪狩がコレを見てどういう反応をするのか気になる。とても気になる。
猪狩のことだ、少しでも機嫌を損ねれば「帰る」とでも言い出しそうだが、オレは一か八か煽ってみることにした。
「ほほー、怖いのかい?猪狩?」
「そういうキミこそどうなんだい?」
思った通り、予想通りの反応だ。案の定猪狩は乗ってきた。
オレも甘んじて挑発に乗ることにする。ノリというのは大切だ。
「なに!いいだろう!矢部くん、スイッチオンだ!」
「合点でやんす!」
素早い矢部くんはさっそくビデオを取り出してデッキにセットした。
ぽち、とリモコンを操作すると、さっそく画面が現れた。
「ねえ矢部くん、実はオレ、こういうのテレビで見るの初めてなんだよね」
「実を言うとオイラもでやんす。こんなの居間のテレビじゃ見れないでやんす」
「……」
オレと矢部くんが会話をしている横で猪狩は頑なに口を閉ざしていた。
なんだかんだで黙って見ている猪狩に顔がゆるんでしまいそうになる。
普段、猪狩はどうしているんだろう。
いくら野球一筋だからといって、年頃の男だ。なにをせずとも溜まるもんは溜まるというものだ。
そんなことを悶々と考えていたら、画面の中の人たちの濃厚な絡みが始まった。
うーん、これはすごいな。
「オイラ、トイレに行ってくるでやんす」
「…矢部くん、もっとこっそり行ったら」
てへぺろでやんす、と矢部くんは言い残して部屋を出て行った。
残ったのは、オレと猪狩だけ。
正直オレは、画面の中のことよりも、猪狩のことが気になって仕方がなかった。
目の前のAVよりも猪狩の方が気になるだなんて、オレというやつはどうかしている。
そうは言いながらも、気になるものは気になるので、オレは隣にいる猪狩の様子をそっと窺ってみた。
(真顔って…)
画面の中の人たちは盛り上がりの最高潮だったが、それを見つめる猪狩はいつもと変わらない涼しい顔をしていた。
こういうものを見ても、天才猪狩守は反応しないのだろうか。
「猪狩」
「…なんだよ」
「普段こういうの見る?」
「そんなのキミに話す義務はないだろ」
「見るんだ」
「どうだっていいだろ」
「どういうのが好きなんだ?」
興味津々で聞いてみると、猪狩はいつもの人を心底ばかにしたような目で言い返してきた。
「キミには関係ない」
「関係ないけど、気になるだろ。あ、ちなみにオレは」
「戻ったでやんす!これでスッキリ寝られるでやんす!」
「…矢部くん、もう少しデリカシーってものを持とうよ」
矢部くんが戻ってきたところでビデオも丁度フィニッシュを迎えたので、キリよく鑑賞会は終わりを迎えることとなった。
パワプロくんはトイレいいでやんすか?と矢部くんに聞かれたので、ありがたく席を立つことにした。
オレだって健全な男子高校生だ!
スッキリして戻ると、オレが押入れからひっぱりだしてきた布団がキレイに敷かれていた。
枕代わりの座布団をぱふぱふと叩きながら矢部くんが言う。
「パワプロくんの部屋、やっぱり広いでやんす。布団を敷いてもまだ余裕があるなんて羨ましいでやんす」
「はは、そんなことないよ…って猪狩、お前なにしてるんだよ」
「ボクがキミたちと一緒に雑魚寝なんてできるわけないだろう?ボクはこっちのベッドを使わせてもらうよ。寝心地は悪いがこの際仕方ない。あ、それからさっき洗面所で新品の歯ブラシを見つけたので使わせてもらったよ」
「猪狩、お前人んちでくつろぎすぎだろ…」
「猪狩くんがマイペースなのはいつものことでやんす」
「それもそうだね…」
早速猪狩は布団にもぐりこんで寝ようとしている。なんというやつだろう。
しかし、猪狩らしいと言えば猪狩らしい。
「電気消すでやんすよ」
「あ、矢部くんお願い」
電気が消されて途端に部屋が真っ暗になる。
布団にもぐりこむとさすがに疲れがやってきてすぐに眠くなった。
練習が終わった後に夜中までゲームをしてその後ビデオまで見ていたのだから当然だ。
しかし、心身共にスッキリしていてすがすがしいくらいだった。
寝返りをうつと、もうすでに寝入ってしまったらしい矢部くんの盛大ないびきが聞こえてくる。
矢部くん、相変わらず豪快な寝相だ。
ベッドの方を見ると、もぞもぞと寝返りをうっている猪狩が目に入った。
「猪狩、起きてるんだろ」
「……」
「寝れないのか?」
「寝れるさ」
「あ、やっぱり起きてる」
「……」
「なあ、お前は平気なのか」
「なにがだい」
「なにって、ナニだよ。あんなの見てオレは平気じゃいられないけど。…オレだったら、絶対そのままじゃ寝れないし」
「ボクはキミたちとは違う」
矢部くんのいびきを聞きながら二人でぼそぼそと喋る。気にしなくても、矢部くんが起きる心配はなさそうだ。
オレは布団から起き上がって猪狩を見た。
「猪狩、トイレ行って来いよ。矢部くんには黙っとくし」
「いいって言ってるだろ。しつこいな。ボクは平気だ」
猪狩が寝返りを打ってそっぽを向いてしまったので、オレは立ち上がって猪狩の顔を覗き込むようにして見てみた。
なんだコイツ睫毛長いな、そんなことを思っていたら猪狩はびっくりしたような顔をして布団から起き上がった。
「何をしているんだ、キミは!」
「本当は猪狩、かなり我慢してるんだろ」
「してないって言ってるだろ。いい加減しつこいぞ」
「嘘。だって…」
布団越しに猪狩の下半身に触れると、猪狩は大げさすぎるほどに反応してみせた。
しまった、というように目をそらす様子が何とも言えない。
「ほら」
「…今のはキミが変なところを触ったからだ」
「ふーん」
布団をはぎ取って猪狩のジャージに目をやると、ジャージごしにでも反応しているのが見て取れた。
「これでもまだ我慢してないって言うの?」
「…うるさいな。関係ないだろ」
「すごい、ジャージごしにでもはっきり分かる」
「見るな!」
「な、そんなんじゃつらいだろ?」
ジャージの上から撫でるように猪狩のものに触れる。
オレの手の動きに合わせて猪狩は小さく反応していた。
声を上げないように歯を食いしばっている様子が暗闇の中でもよく分かる。
電気を消してから時間がたっているので、大分目も慣れてきた。うるんだ猪狩の瞳が闇の中でよく映えている。
お前、それは誘ってるって言うんだぞ。
「猪狩、オレが楽にしてやるよ」
「ばか、やめろ!」
ジャージの中に手を突っ込んで、直に触れる。
すでに固く持ち上がっているそれを包むように掌で触ると、気持ちがいいのか猪狩はこちらにしなだれかかったまま動かなくなってしまった。
声を我慢しているらしい、浅い息遣いがオレを刺激する。
「う、あ…」
「猪狩」
「!」
顔を上げたところにチュッと口付ける。驚いたらしい猪狩は目をまんまるにさせている。
こういう顔もするのか、新しい発見だ。
もう一度ゆっくりと唇を合わせると、観念したように猪狩も瞼を下して身を預けてきた。
キスに夢中になりながらも、上下に扱く手は休めない。
先走りで濡れた先端を親指でこすると、猪狩は小さく息をついては快楽をやりすごしているようだった。
ここまできて往生際が悪い。
「猪狩、気持ち良いときは我慢しちゃダメだよ」
「なにを…」
「こうすると気持ちいいだろ?」
「あ、あ…」
「オレも男だから分かるし…そっかー、猪狩もココがいいのか」
「っ…」
「もういきそう?」
「聞くな、ばか…」
「ほんとに素直じゃないな、お前は…」
耳元で囁いて、そのまま舌を耳の中に侵入させる。
猪狩の浅い息遣いがだんだんと荒くなっていって、我慢できないらしい声が漏れていた。どうやら絶頂が近いらしい。
悪態をつく余裕もないようで、猪狩は黙って身を任せている。
苦しそうに掌で口を覆うので、代わりとばかりに唇で塞いでやった。
これで声も漏れないだろう。オレも気持ちが良いし、一石二鳥だ。
「ダメだ…っ」
「いっていいよ、猪狩」
扱く手に少しだけ力を加えると、猪狩はあっけなく果ててしまった。
手の中に吐き出される熱いものに満足をして、オレは猪狩の額にひとつキスを落とした。
汗ばんでいて、少しだけしょっぱい。
「へへ。気持ちよかっただろ」
「…キミは本当に愚かだな」
呆れたような顔をする猪狩の顔が今だけは一段とかわいらしく見えたので、オレはもう一度だけ猪狩の唇を塞いで目を閉じた。
「…っていう夢を見てしまったんだよ矢部くん!どうしよう!オレどうしよう!…もう猪狩の顔まともに見れないよー!!」
「なんでそれをオイラに言うでやんすか…」
「誰かに相談しないとなんかいたたまれなくて!だってありえないだろ、いくら毎日野球野球で飢えてるからって、これはないって!」
「パワプロくんの深層に潜む欲求でやんす」
「それはない!!」
「ハハハ、二軍コンビくんたちは今日も楽しそうだね」
「!」
今日も素敵に嫌味に現れた猪狩は、すがすがしいほどの笑顔を浮かべながらこちらに歩いてきた。
いつもなら売られた喧嘩を買いに行くところだが、今日はあいにくそうはいかない。
ユニフォーム姿のコイツを見てドキドキするなんてオレはどうかしている。
「?なんだい、変な顔が余計に変だよ」
「…。矢部くん、今日暇だよね?」
「暇でやんす」
「じゃあ、いいよね」
「おいおい、ボクにも分かるように話してくれないか。パワプロ、だいたいお前今日はなんだか変だぞ」
矢部くんの顔をちらっと見ると、なんとなく察しがついたようで何も言わずにこちらの言葉を待っていた。
眼鏡の奥の目が笑っているので、どうやらオレの考えはバレバレらしい。
事の顛末を見守ろうという魂胆だ。
「おい、パワプロ」
「猪狩、今日オレの家でゲームするんだ。お前も来ないか?」
続きはリアルで
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ピクシブよりお引越し
男三人でお泊りゲーム会してさらにAV鑑賞会をする9の破壊力
ライバルで友達で恋人で、ひとつぶで無限においしいのが猪狩守くんと主人公
ということを最初の最初から言っていた辺り主守の軸はこのときから確立されていたよう
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