忍者ブログ

今夜、真綿のベッドで

今夜、真綿のベッドで(R18)

 進は、セックスが好きではない。学生の頃、付き合っていた女性と初めて行為に至ったときには、こんなもんかと思った。もちろん射精したときには快感が得られたが、それで満たされるのならばマスターベーションとなんら変わりがない。そうではない、セックスからしか得られないものが、進には見出せなかった。

 そして現在、進が交際している相手は男性であり、自分は抱かれる側に回ったわけであるが、それでもやはりセックスを好きだとは思えなかった。相手は随分進に尽くしてくれていたし、少しでも身体に負担を掛けたくないという気遣いから前戯も大層丁寧で優しかった。しかし進からしてみれば、何度胸を触られたところで気持ちいいというよりはくすぐったいだけだったし、陰茎を擦って射精をするだけならば肌を重ねる必要性も感じなかったし、そもそも男同士で行為に至るまでの準備が面倒であった。準備は無論のこと、ローションや体液で濡れたシーツや下着を洗うのも手間であるし、本来排泄を行う身体の器官を用途以外に使えばどれだけ備えたところで違和感や疲れが残った。男のそこは、女のように自然には濡れないのだ。
 そうであるのに。
「進くん、好き、すき……進くんも、気持ちいい?」
 そうやって自分を抱く彼を見ていると、進は濡れるはずのないそこがじくじくと疼いて、胸の内に今まで感じたことのない感情でいっぱいに満たされていくのを実感していた。気持ち良くないはずなのに、気持ちがいい。あなたが僕を求めて、気持ち良さそうにしている姿を見るのが好きだった。特に好きではないセックスをする理由があるとすれば、進にはこれこそが唯一無二であった。
「恥ずかしいので、そんなこと聞かないでください……」
「ん、ごめんね。でも、そうやって恥ずかしがってる進くんもかわいい」
 彼にかわいいと言われれば、進は自分のことをかわいいと思うことが出来た。彼が気持ち良いのならば、進も気持ち良いと思うことが出来た。その証拠に、進の陰茎は先ほどから限界を知らせるように膨れて、先走りの液がひっきりなしに溢れて垂れている。そういう自分の姿を冷静に観察していると本当に恥ずかしくなってきて、進は顔に熱が集まるのを感じた。
「進くん、本当に好き」
「僕も、好きです、」
 唇を攫われる。息つく間もない激しいキスは、いつも優しい彼が唯一見せる粗暴な行為で、進はこれをされると弱かった。頭の芯から痺れるように興奮して、唇も陰茎も繋がっている部分も、彼が触れるところはすべて溶けてしまいそうなほど熱かった。このままふたり溶けてしまえればどんなに楽かと思いながら、達した彼に少し遅れて、進も熱を吐き出した。息を整え、抱き締められた腕の中で彼を見る。
「どうしたの?」
「もう、終わり、ですか?」
「!」
 夜はまだ、終わらない。




ーーーーーーーーー
こういう進が好きすぎるので、主人公ちゃん、頼んだぞ

拍手

PR

カレンダー

03 2026/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

最新記事

ブログ内検索

忍者アナライズ