恋愛模様は春の色
※先天性で女の子な猪狩守ちゃん注意
主←守
いつものことだと思っていたら、どうやら今回は少々勝手が違うようだった。
数分前までボクのことを好きだとか付き合ってほしいだとか言っていたそいつは、いまボクのことを口汚く罵っている。
お高く留まった態度が気に入らないだの女のくせに野球をやっているのはおかしいだの、その内容は思わず鼻で笑ってやりたくなるようなことばかり。
ボクは何を言うでもなくそいつの顔をまじまじと眺めていた。
たぶん隣のクラスのなんとかくんという人物に違いなかった。
クラスメイトの女子がカッコイイだとかあんな人と付き合いたいだとか言っていたのを記憶の彼方から引っ張り出す。
彼女たちにカッコイイと評されていたなんとかくんは、ボクの前で醜悪な顔をさらしていまだに何か言っていた。あいにくボクの耳には届いてこない。
「おい、聞いてんのかよ猪狩」
ボクが黙ったままでいることに焦れたのか、なんとかくんは少々激昂した様子でボクに詰め寄った。
どうやらボクの態度が気に入らないらしい。
つくづくしょうもないやつだ。
ときは放課後で、ここは渡り廊下から出てすぐのところにある中庭だ。
春先の柔らかで温かい風が花壇の花々を揺らし、木々をざわめかせる。
さわさわと頬を撫でる風はこんなにも心地よく、春らしい気候はボクの気分も良くさせる。
そんなボクがわざわざ部活前にこんな茶番に付き合ってやっているというのに、なんとかくんはとかく面白くない様子で未だにボクの悪口を言い連ねている。
今までこの手のことには何度か遭遇したことがあったが、こいつは結構どうしようもない部類に入るようだ。
ボクの悪口だけならどうでも良かったが、とうとう進のことにまで言及してきたときにはさすがのボクも黙っていられなかった。
自分のことをなんと言われてもいいが、進のことだけは我慢できない。
お前が進の何を知っているというのか。
「おい、ボクは」
「その辺にしとけよ」
唐突に聞こえた声に振り返る。
振り返った先には見知った顔があった。
見慣れた顔だったが、その表情は今まで見たことのない種類でボクは驚いた。
いきなり現れたパワプロはボクとそいつの間に割って入ると、怒った顔のままボクの手を引いた。
「振られたからってそういうこと言うのはカッコ悪すぎじゃないの」
「誰だよお前」
「誰だっていいだろ。もう、猪狩に付きまとわないでくれ」
「だれがそんなブスに付きまとうかっての!」
なんとかくんの負け犬の遠吠えを背中に聞きながら、ボクはパワプロに手を引かれるままに歩いていた。
繋がれた手が少しだけ痛い。
ボクの前を歩くパワプロの顔は残念ながら見ることができなかった。
ただ、その全身から怒りの感情を感じとってボクはたじろぐ。
ボクはパワプロの怒った顔というものがあまり記憶にないのだった。
「パワプロ」
ボクの呼びかけに反応してパワプロは繋いでいた手をぱっと離すときまりが悪そうにボクの顔を見た。それはボクの知っているいつものパワプロだった。
「ごめん。盗み見るつもりはなかったんだけど。たまたま、見えちゃってさ…」
「べつにいい。それより…ありがとう」
「いや、ほんとごめん。あんなことするなんてつもりなかったんだ。すぐに行こうと思ったんだけど、聞こえてきた会話にびっくりしてつい…」
「…いつから聞いてたんだ?」
「あいつがお前のことを好きとか言う辺り」
「ほとんど初めからじゃないか…」
全然気づかなかった。パワプロはどんな気持ちであいつの告白を聞いたのだろう。
聞きたいような聞きたくないような、あんな場面を見られて恥ずかしいような、ボクはどうしようもない心持になって指先をもてあそんだ。
先ほどまで繋がれていた手が熱い。
「それにしても猪狩、お前なんであそこまで言われて黙ってんだよ」
「べつに。好きに言わせておけばいいだろ」
「お前らしくないっていうか、オレの方が聞いててムカついたぞ。だいたいお前オレにはいつも好き勝手言うくせに」
それはキミだからだよと言おうと思ったが、鈍感なパワプロに通じるはずがないのでボクは黙っていた。
ボクはこんなにも好きなのに、パワプロにはいつだってなんにも伝わらない。
だんだん落ち込んできたボクの気持ちなんてこれっぽっちも分かっていないらしいパワプロは、先ほどとは打って変わって晴れやかな顔で笑っていた。
なにがそんなにおもしろいのか。
「なにを笑ってるんだ」
「お前って人の悪口言わないじゃん。あんなやつのことでも、悪く言わないんだな」
「言ったって仕方ないだろ」
「お前らしいな」
そう言うとパワプロはさも嬉しそうな顔で笑ってボクを困惑させた。
パワプロはよく「お前らしい」だとか「お前は相変わらずだ」などと言ってボクを困らせる。
それは一体どういう意味なんだ。
言われる度に何かを期待してしまうボクの身にもなってほしい。
「あ、早くしないと部活遅れちゃう!」
早く、猪狩、そう言って歩き出すパワプロは、もうボクの手を引いてはくれないのだった。
少しばかり残念な気持ちになったが、すぐに頭は部活のことでいっぱいになってボクは駆け出した。
パワプロを追い抜いてフフンと笑う。
いつの間にか部室までの競争へと発展していた。
ああ、今日もいい日だ。早く野球がしたい。
―――――――――
にょたまもちゃんはモテモテだったらイイナーという妄想がね、ロマンよね
パワプロくんが思いのほかイケメンに…
はやく付き合っちゃえよ(笑)
にょたまもちゃんもブラコンだったらいいよね
主←守
いつものことだと思っていたら、どうやら今回は少々勝手が違うようだった。
数分前までボクのことを好きだとか付き合ってほしいだとか言っていたそいつは、いまボクのことを口汚く罵っている。
お高く留まった態度が気に入らないだの女のくせに野球をやっているのはおかしいだの、その内容は思わず鼻で笑ってやりたくなるようなことばかり。
ボクは何を言うでもなくそいつの顔をまじまじと眺めていた。
たぶん隣のクラスのなんとかくんという人物に違いなかった。
クラスメイトの女子がカッコイイだとかあんな人と付き合いたいだとか言っていたのを記憶の彼方から引っ張り出す。
彼女たちにカッコイイと評されていたなんとかくんは、ボクの前で醜悪な顔をさらしていまだに何か言っていた。あいにくボクの耳には届いてこない。
「おい、聞いてんのかよ猪狩」
ボクが黙ったままでいることに焦れたのか、なんとかくんは少々激昂した様子でボクに詰め寄った。
どうやらボクの態度が気に入らないらしい。
つくづくしょうもないやつだ。
ときは放課後で、ここは渡り廊下から出てすぐのところにある中庭だ。
春先の柔らかで温かい風が花壇の花々を揺らし、木々をざわめかせる。
さわさわと頬を撫でる風はこんなにも心地よく、春らしい気候はボクの気分も良くさせる。
そんなボクがわざわざ部活前にこんな茶番に付き合ってやっているというのに、なんとかくんはとかく面白くない様子で未だにボクの悪口を言い連ねている。
今までこの手のことには何度か遭遇したことがあったが、こいつは結構どうしようもない部類に入るようだ。
ボクの悪口だけならどうでも良かったが、とうとう進のことにまで言及してきたときにはさすがのボクも黙っていられなかった。
自分のことをなんと言われてもいいが、進のことだけは我慢できない。
お前が進の何を知っているというのか。
「おい、ボクは」
「その辺にしとけよ」
唐突に聞こえた声に振り返る。
振り返った先には見知った顔があった。
見慣れた顔だったが、その表情は今まで見たことのない種類でボクは驚いた。
いきなり現れたパワプロはボクとそいつの間に割って入ると、怒った顔のままボクの手を引いた。
「振られたからってそういうこと言うのはカッコ悪すぎじゃないの」
「誰だよお前」
「誰だっていいだろ。もう、猪狩に付きまとわないでくれ」
「だれがそんなブスに付きまとうかっての!」
なんとかくんの負け犬の遠吠えを背中に聞きながら、ボクはパワプロに手を引かれるままに歩いていた。
繋がれた手が少しだけ痛い。
ボクの前を歩くパワプロの顔は残念ながら見ることができなかった。
ただ、その全身から怒りの感情を感じとってボクはたじろぐ。
ボクはパワプロの怒った顔というものがあまり記憶にないのだった。
「パワプロ」
ボクの呼びかけに反応してパワプロは繋いでいた手をぱっと離すときまりが悪そうにボクの顔を見た。それはボクの知っているいつものパワプロだった。
「ごめん。盗み見るつもりはなかったんだけど。たまたま、見えちゃってさ…」
「べつにいい。それより…ありがとう」
「いや、ほんとごめん。あんなことするなんてつもりなかったんだ。すぐに行こうと思ったんだけど、聞こえてきた会話にびっくりしてつい…」
「…いつから聞いてたんだ?」
「あいつがお前のことを好きとか言う辺り」
「ほとんど初めからじゃないか…」
全然気づかなかった。パワプロはどんな気持ちであいつの告白を聞いたのだろう。
聞きたいような聞きたくないような、あんな場面を見られて恥ずかしいような、ボクはどうしようもない心持になって指先をもてあそんだ。
先ほどまで繋がれていた手が熱い。
「それにしても猪狩、お前なんであそこまで言われて黙ってんだよ」
「べつに。好きに言わせておけばいいだろ」
「お前らしくないっていうか、オレの方が聞いててムカついたぞ。だいたいお前オレにはいつも好き勝手言うくせに」
それはキミだからだよと言おうと思ったが、鈍感なパワプロに通じるはずがないのでボクは黙っていた。
ボクはこんなにも好きなのに、パワプロにはいつだってなんにも伝わらない。
だんだん落ち込んできたボクの気持ちなんてこれっぽっちも分かっていないらしいパワプロは、先ほどとは打って変わって晴れやかな顔で笑っていた。
なにがそんなにおもしろいのか。
「なにを笑ってるんだ」
「お前って人の悪口言わないじゃん。あんなやつのことでも、悪く言わないんだな」
「言ったって仕方ないだろ」
「お前らしいな」
そう言うとパワプロはさも嬉しそうな顔で笑ってボクを困惑させた。
パワプロはよく「お前らしい」だとか「お前は相変わらずだ」などと言ってボクを困らせる。
それは一体どういう意味なんだ。
言われる度に何かを期待してしまうボクの身にもなってほしい。
「あ、早くしないと部活遅れちゃう!」
早く、猪狩、そう言って歩き出すパワプロは、もうボクの手を引いてはくれないのだった。
少しばかり残念な気持ちになったが、すぐに頭は部活のことでいっぱいになってボクは駆け出した。
パワプロを追い抜いてフフンと笑う。
いつの間にか部室までの競争へと発展していた。
ああ、今日もいい日だ。早く野球がしたい。
―――――――――
にょたまもちゃんはモテモテだったらイイナーという妄想がね、ロマンよね
パワプロくんが思いのほかイケメンに…
はやく付き合っちゃえよ(笑)
にょたまもちゃんもブラコンだったらいいよね
自絞死
※ふたりとも頭のネジがゆるゆるな主進
ほろほろと涙を流す進くんの顔を見ながら、オレは「大丈夫だよ、気にしないで」と言いたかった。
それなのにオレの喉というやつはまともに機能をしてくれず、咳き込むばかりである。
ああ、いい加減止めなければ、この咳も、進くんの涙も。
「あの、僕、あの…」
「ゲホッ、いいよ、進くん」
「僕、こんなことするつもりなんてなくて、ぼく、ぼく」
「分かってるから大丈夫だよ」
だから泣かないで、言うと進くんは大きな瞳からさらに大粒の涙を流して泣きじゃくってしまった。
ぽろぽろと流れ落ちるそれは進くんの頬を滑ってオレの掌を濡らした。
ぬぐってもぬぐっても進くんの涙は止まらない。
オレが大丈夫だと言えば言うほど嗚咽は大きくなるばかりである。
泣かせたくなんてないはずなのに、どうしていつもこうなってしまうんだろう。
オレはバカだ。
「タオル、持ってくるよ」
優しく髪を撫でてソファから立ち上がる。
進くんは幼い動作で首をこくんと垂れると近くにあったクッションを手に取って顔を埋めた。
少し前にオレが進くんへプレゼントしたものだった。
僕、緑色が好きなんです、クッションを触りながらにこにこと笑う進くんがかわいくって、次の日オレは一人でまたそのお店へ行ってふわふわのクッションを買った。
プレゼントすると、進くんはクッションみたいにふわふわと笑うのだった。
そのクッションは今、進くんの涙でまだら模様になっている。
洗面所まで行って洗い立てのタオルを一枚手につかむ。
ふわふわのそれはとてもいい匂いだ。そういえば、柔軟剤を変えたんですと進くんが嬉しそうに話していた。進くんは家事が好きだった。
鼻先をタオルに押し付けて深呼吸をする。
咳はようやく止まった。
洗面所の鏡に映った自分をまじまじと見つめる。
首にはくっきりと真紅の跡がついていた。今しがた進くんにつけられた跡だ。
赤色を指でひとなぞりしながらオレは考える。
またやってしまったという反省と後悔。
最近こうして鏡の前で反省する回数が増えてきたような気がするのは、オレの気のせいに違いなかった。
こんなことになったのは、いつからだっただろう。
昔から、進くんには猪狩の話をすると嫌がるところがあった。
オレはそれを重々承知していたし、なるべく猪狩の話題を出さないようにしているのだが、なにぶんオレと猪狩は高校の頃からの同級生であったし、なにより猪狩は進くんの実の兄だ。
どんなに避けていたって、話題に上ることはある。
猪狩の話をする度に嫌な顔をしていた進くんは、いつしか顕著に怒りを表すようになった。
兄さんの話は聞きたくありません。あなたの口から兄さんの名前が呼ばれるのが我慢できません。
オレはそのたびにごめんと謝って、そのあと決まって進くんも謝るのが恒例のパターンだった。
わがままを言ってごめんなさい。
それがいつしかこうなった。いつからかは覚えていない。
気が付いたら進くんはオレの首を絞めていて、オレは抵抗せずにされるがまま、解放された後はこれでもかと咳き込むのだ。
抵抗する気がないのは、進くんの行為に殺意がないのが分かっているからだった。
当然だ、オレたちは恋人同士なのだもの。どうして殺す理由があるっていうんだ。
だからオレは進くんの好きなようにさせて、己の不注意を詫びるのであった。
ごめんね、進くん。
オレが謝ると決まって進くんは泣き出してしまうから、それだけが悩みだった。
オレは進くんに泣いてほしくないのに。
指の跡がくっきりと残った首筋を隠すようにオレはタートルネックの裾を引っ張る。
進くんは悪くないのだから、これ以上悲しませてはいけない。
「パワプロさん」
ソファから立ち上がった進くんが駆け出してくる。
そのままの勢いで進くんはオレの胸に飛び込んできて、オレは少しだけよろめいた。
進くんがいやいやをするように首を振って、ぐりぐりと顔を胸に押し付ける。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「いいって。だからもう泣かないでよ進くん」
「僕、パワプロさんがいないとダメなんです。パワプロさんのことが大好きなんです」
「オレも進くんのことが大好きだよ」
熱い進くんの涙がオレの服に染みを作った。
じんわりと広がるそれにオレまで泣き出しそうになる。
進くんの名前を呼んだ。顎に指をかけて顔を上げさせる。キス。
泣き濡れたまぶたに舌を這わせながら丹念に涙を舐めとり、唇はそのまま下に降りていく。
進くんの嗚咽を閉じ込めるように、ぴったりと唇を合わせて口づけた。
舌を差し入れて口内をねぶる頃には進くんの涙も止まっている。
静かなリビングにちゅくちゅくと水音が響いてオレは妙な心持になる。
名残惜しく唇を離すと、鼻の頭まで真っ赤にした進くんが蕩けた表情でこちらを見つめていた。
その鼻の頭にキスを落としてオレは笑う。
「進くん、好きだよ」
「僕も、好きです。大好きなんです」
もう一度だけ唇を合わせて進くんから離れる。
頭を撫でると、恥ずかしそうに進くんは笑った。オレは、この顔が好きだ。
―――――――
ヤンデレっていうかヤンデル進くんが好きです
それに付き合ってあげる主人公ちゃんも、また
ほろほろと涙を流す進くんの顔を見ながら、オレは「大丈夫だよ、気にしないで」と言いたかった。
それなのにオレの喉というやつはまともに機能をしてくれず、咳き込むばかりである。
ああ、いい加減止めなければ、この咳も、進くんの涙も。
「あの、僕、あの…」
「ゲホッ、いいよ、進くん」
「僕、こんなことするつもりなんてなくて、ぼく、ぼく」
「分かってるから大丈夫だよ」
だから泣かないで、言うと進くんは大きな瞳からさらに大粒の涙を流して泣きじゃくってしまった。
ぽろぽろと流れ落ちるそれは進くんの頬を滑ってオレの掌を濡らした。
ぬぐってもぬぐっても進くんの涙は止まらない。
オレが大丈夫だと言えば言うほど嗚咽は大きくなるばかりである。
泣かせたくなんてないはずなのに、どうしていつもこうなってしまうんだろう。
オレはバカだ。
「タオル、持ってくるよ」
優しく髪を撫でてソファから立ち上がる。
進くんは幼い動作で首をこくんと垂れると近くにあったクッションを手に取って顔を埋めた。
少し前にオレが進くんへプレゼントしたものだった。
僕、緑色が好きなんです、クッションを触りながらにこにこと笑う進くんがかわいくって、次の日オレは一人でまたそのお店へ行ってふわふわのクッションを買った。
プレゼントすると、進くんはクッションみたいにふわふわと笑うのだった。
そのクッションは今、進くんの涙でまだら模様になっている。
洗面所まで行って洗い立てのタオルを一枚手につかむ。
ふわふわのそれはとてもいい匂いだ。そういえば、柔軟剤を変えたんですと進くんが嬉しそうに話していた。進くんは家事が好きだった。
鼻先をタオルに押し付けて深呼吸をする。
咳はようやく止まった。
洗面所の鏡に映った自分をまじまじと見つめる。
首にはくっきりと真紅の跡がついていた。今しがた進くんにつけられた跡だ。
赤色を指でひとなぞりしながらオレは考える。
またやってしまったという反省と後悔。
最近こうして鏡の前で反省する回数が増えてきたような気がするのは、オレの気のせいに違いなかった。
こんなことになったのは、いつからだっただろう。
昔から、進くんには猪狩の話をすると嫌がるところがあった。
オレはそれを重々承知していたし、なるべく猪狩の話題を出さないようにしているのだが、なにぶんオレと猪狩は高校の頃からの同級生であったし、なにより猪狩は進くんの実の兄だ。
どんなに避けていたって、話題に上ることはある。
猪狩の話をする度に嫌な顔をしていた進くんは、いつしか顕著に怒りを表すようになった。
兄さんの話は聞きたくありません。あなたの口から兄さんの名前が呼ばれるのが我慢できません。
オレはそのたびにごめんと謝って、そのあと決まって進くんも謝るのが恒例のパターンだった。
わがままを言ってごめんなさい。
それがいつしかこうなった。いつからかは覚えていない。
気が付いたら進くんはオレの首を絞めていて、オレは抵抗せずにされるがまま、解放された後はこれでもかと咳き込むのだ。
抵抗する気がないのは、進くんの行為に殺意がないのが分かっているからだった。
当然だ、オレたちは恋人同士なのだもの。どうして殺す理由があるっていうんだ。
だからオレは進くんの好きなようにさせて、己の不注意を詫びるのであった。
ごめんね、進くん。
オレが謝ると決まって進くんは泣き出してしまうから、それだけが悩みだった。
オレは進くんに泣いてほしくないのに。
指の跡がくっきりと残った首筋を隠すようにオレはタートルネックの裾を引っ張る。
進くんは悪くないのだから、これ以上悲しませてはいけない。
「パワプロさん」
ソファから立ち上がった進くんが駆け出してくる。
そのままの勢いで進くんはオレの胸に飛び込んできて、オレは少しだけよろめいた。
進くんがいやいやをするように首を振って、ぐりぐりと顔を胸に押し付ける。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「いいって。だからもう泣かないでよ進くん」
「僕、パワプロさんがいないとダメなんです。パワプロさんのことが大好きなんです」
「オレも進くんのことが大好きだよ」
熱い進くんの涙がオレの服に染みを作った。
じんわりと広がるそれにオレまで泣き出しそうになる。
進くんの名前を呼んだ。顎に指をかけて顔を上げさせる。キス。
泣き濡れたまぶたに舌を這わせながら丹念に涙を舐めとり、唇はそのまま下に降りていく。
進くんの嗚咽を閉じ込めるように、ぴったりと唇を合わせて口づけた。
舌を差し入れて口内をねぶる頃には進くんの涙も止まっている。
静かなリビングにちゅくちゅくと水音が響いてオレは妙な心持になる。
名残惜しく唇を離すと、鼻の頭まで真っ赤にした進くんが蕩けた表情でこちらを見つめていた。
その鼻の頭にキスを落としてオレは笑う。
「進くん、好きだよ」
「僕も、好きです。大好きなんです」
もう一度だけ唇を合わせて進くんから離れる。
頭を撫でると、恥ずかしそうに進くんは笑った。オレは、この顔が好きだ。
―――――――
ヤンデレっていうかヤンデル進くんが好きです
それに付き合ってあげる主人公ちゃんも、また
アイスブルー
※設定、時系列総無視なのですべてを許せる心の広い方向け
進守
着信を告げるライトがぱかぱかと光を灯している。
机の上に置いてある携帯電話を一瞥しながら僕は鞄のチャックを閉めた。
荷物はこれだけ。詰めてみると意外にも少ないそれに僕は少しだけ笑った。
誰が何と言おうと、これは僕にとって新たなる門出。めでたい日なのだ。
アイスブルーに点滅するライトを眺めながら僕は携帯電話をポケットにしまった。
父さんと母さんにはもう事前にあいさつを済ませていたから、僕は少ない荷物を提げてさっさと自宅を後にすることにした。
長い長い廊下を歩いて、ようやく玄関のホールが見えてくる。
今日から僕は一人暮らしをするために、この家を出ていくのだった。見送りなど特になかったし、必要なかった。世話になった使用人の数人から見送りたい旨を伝えられたが、僕はそれをきっぱりと断った。今までお世話になりました。さようなら。
玄関から表に出て、門にたどり着くまでがもう少し。
表には当然のように猪狩専属のドライバーが控えていたが、僕はやんわりと断って歩き始めた。まさか歩くのかというドライバーの視線を振り切って僕は進む。
門まで出たらタクシーを呼んであるので、それに乗って新居へ向かう予定だ。
風がさわさわと木々を揺らし、僕の頬を撫でていく。
心地の良い日の光が射すそこには手入れの行き届いた庭園がある。父さん自慢の庭だった。昔はよくここでキャッチボールをしたものだ。子供のときはキャッチボールすらままならないくらいの下手くそで、よくボールを取りこぼしてはなくしたりしていた。ボールがなくなることはもちろん困ったが、2人でボールを探すために一緒になって草むらに顔を突っ込んで遊ぶのは好きだった。しかし、この庭を見ることもしばらくはない。
僕はもうこの家に戻ってくるつもりはなかったし、一人前の野球選手として活躍できるまで、父さんと母さんに会うつもりもなかった。自分が一人でどこまでできるのか試したかった。
タクシーに乗り込み行き先を告げる。
どんどん小さくなる猪狩邸を視界の端に入れながら僕は携帯電話を取り出した。
ライトはいまだにぱかぱかと点滅している。
誰からの着信なのか確かめたくない僕は、携帯を手の中で持て余したまま少しだけ息を吐き出した。
猪狩守とは僕の兄のことである。
猪狩と言えば兄のことを指し、猪狩の弟と言えば僕のことを指すのが学生時代の常であった。
僕はずっと兄の後ろを歩いてきたし、兄の背中を眺めながら生きてきた。
そんな生き方に疑問を持たない時期も、確かにあった。僕は兄のことを慕っていたし、兄もまたそんな僕を何かと気をかけてくれていた。
窓の外をぼんやりと眺めていると雨が降ってきた。さっきまで晴れていたというのに変な天気だ。
今夜は豪雨になるそうですねと運転手が言う。そうなんですね、答えながら僕は鞄の中から折り畳み傘を探し当てる。進は準備がいいな、唐突に兄の声が頭の中をよぎり、僕は少しだけ頭を振ってやり過ごす。
進はボクの弟だからね。
そうだよ兄さん、僕はあなたの弟だ。
オリックスへの入団を希望していることも、一人暮らしを始めることも、兄には何一つ告げていなかった。嘘をついていたわけではない。兄は何も聞かなかったし、僕も何も言わなかっただけだ。
なぜだか僕が自分と同じ球団へ入団するとばかり思い込んでいたらしい兄の様子は、僕からすれば不思議でしかなかった。なぜ僕が自分と同じ球団を希望していると信じきっているのだろう。兄には昔からそういうところがあった。
兄のことを好いているのか嫌っているのか、僕にはよく分からない。
殺したいほど憎いような気もするし、自分のすべてを懸けて愛しているような気さえする。
よく分からない。
兄に対して、好意以外の感情を持つようになったのはいつの頃だっただろうか。
進はボクの弟だからね、その言葉が疎ましいと感じるようになったのはいつからだったか。
僕たちは唯一無二の兄弟だ。
僕のことを弟と呼べるのは兄だけだし、兄のことを兄さんと呼べるのは僕だけだ。
世界でただ、2人だけ。その世界をどういう色で見るのか、それはすべて僕次第なのだ。
アイスブルーのライトはいまだに点滅し続けている。
その青色にまで兄を見てしまった僕は、ブラザーコンプレックスの重病者なのかもしれなかった。だって、ああ、そんなの仕方ないだろう。ずっと一緒にいたんだもの。僕の世界の色とはつまり、兄のいる世界だったんだもの。
記憶の中にある兄の瞳は青く美しく、いつだって澄んでいた。
雨足が強くなり、窓ガラスを激しく打ち鳴らしていた。タクシーが止まる。
携帯を鞄の中に閉まって、代わりに折り畳み傘を開く。
踏み出した一歩は雨で濡れたが、雨遊びをする子供のような心持になって、僕はほんの少しだけ笑った。
―――――――――
この進って何才なんですかね
時期的にどこになるんですかね
普通に考えて一人暮らしの前にまずは寮生活ですよね
ていうか一人暮らしってカイザース時代じゃないの
\(^^)/
考えるな感じろを極めるとこうなるんですね~
猪狩兄弟が好きなだけ
進守
着信を告げるライトがぱかぱかと光を灯している。
机の上に置いてある携帯電話を一瞥しながら僕は鞄のチャックを閉めた。
荷物はこれだけ。詰めてみると意外にも少ないそれに僕は少しだけ笑った。
誰が何と言おうと、これは僕にとって新たなる門出。めでたい日なのだ。
アイスブルーに点滅するライトを眺めながら僕は携帯電話をポケットにしまった。
父さんと母さんにはもう事前にあいさつを済ませていたから、僕は少ない荷物を提げてさっさと自宅を後にすることにした。
長い長い廊下を歩いて、ようやく玄関のホールが見えてくる。
今日から僕は一人暮らしをするために、この家を出ていくのだった。見送りなど特になかったし、必要なかった。世話になった使用人の数人から見送りたい旨を伝えられたが、僕はそれをきっぱりと断った。今までお世話になりました。さようなら。
玄関から表に出て、門にたどり着くまでがもう少し。
表には当然のように猪狩専属のドライバーが控えていたが、僕はやんわりと断って歩き始めた。まさか歩くのかというドライバーの視線を振り切って僕は進む。
門まで出たらタクシーを呼んであるので、それに乗って新居へ向かう予定だ。
風がさわさわと木々を揺らし、僕の頬を撫でていく。
心地の良い日の光が射すそこには手入れの行き届いた庭園がある。父さん自慢の庭だった。昔はよくここでキャッチボールをしたものだ。子供のときはキャッチボールすらままならないくらいの下手くそで、よくボールを取りこぼしてはなくしたりしていた。ボールがなくなることはもちろん困ったが、2人でボールを探すために一緒になって草むらに顔を突っ込んで遊ぶのは好きだった。しかし、この庭を見ることもしばらくはない。
僕はもうこの家に戻ってくるつもりはなかったし、一人前の野球選手として活躍できるまで、父さんと母さんに会うつもりもなかった。自分が一人でどこまでできるのか試したかった。
タクシーに乗り込み行き先を告げる。
どんどん小さくなる猪狩邸を視界の端に入れながら僕は携帯電話を取り出した。
ライトはいまだにぱかぱかと点滅している。
誰からの着信なのか確かめたくない僕は、携帯を手の中で持て余したまま少しだけ息を吐き出した。
猪狩守とは僕の兄のことである。
猪狩と言えば兄のことを指し、猪狩の弟と言えば僕のことを指すのが学生時代の常であった。
僕はずっと兄の後ろを歩いてきたし、兄の背中を眺めながら生きてきた。
そんな生き方に疑問を持たない時期も、確かにあった。僕は兄のことを慕っていたし、兄もまたそんな僕を何かと気をかけてくれていた。
窓の外をぼんやりと眺めていると雨が降ってきた。さっきまで晴れていたというのに変な天気だ。
今夜は豪雨になるそうですねと運転手が言う。そうなんですね、答えながら僕は鞄の中から折り畳み傘を探し当てる。進は準備がいいな、唐突に兄の声が頭の中をよぎり、僕は少しだけ頭を振ってやり過ごす。
進はボクの弟だからね。
そうだよ兄さん、僕はあなたの弟だ。
オリックスへの入団を希望していることも、一人暮らしを始めることも、兄には何一つ告げていなかった。嘘をついていたわけではない。兄は何も聞かなかったし、僕も何も言わなかっただけだ。
なぜだか僕が自分と同じ球団へ入団するとばかり思い込んでいたらしい兄の様子は、僕からすれば不思議でしかなかった。なぜ僕が自分と同じ球団を希望していると信じきっているのだろう。兄には昔からそういうところがあった。
兄のことを好いているのか嫌っているのか、僕にはよく分からない。
殺したいほど憎いような気もするし、自分のすべてを懸けて愛しているような気さえする。
よく分からない。
兄に対して、好意以外の感情を持つようになったのはいつの頃だっただろうか。
進はボクの弟だからね、その言葉が疎ましいと感じるようになったのはいつからだったか。
僕たちは唯一無二の兄弟だ。
僕のことを弟と呼べるのは兄だけだし、兄のことを兄さんと呼べるのは僕だけだ。
世界でただ、2人だけ。その世界をどういう色で見るのか、それはすべて僕次第なのだ。
アイスブルーのライトはいまだに点滅し続けている。
その青色にまで兄を見てしまった僕は、ブラザーコンプレックスの重病者なのかもしれなかった。だって、ああ、そんなの仕方ないだろう。ずっと一緒にいたんだもの。僕の世界の色とはつまり、兄のいる世界だったんだもの。
記憶の中にある兄の瞳は青く美しく、いつだって澄んでいた。
雨足が強くなり、窓ガラスを激しく打ち鳴らしていた。タクシーが止まる。
携帯を鞄の中に閉まって、代わりに折り畳み傘を開く。
踏み出した一歩は雨で濡れたが、雨遊びをする子供のような心持になって、僕はほんの少しだけ笑った。
―――――――――
この進って何才なんですかね
時期的にどこになるんですかね
普通に考えて一人暮らしの前にまずは寮生活ですよね
ていうか一人暮らしってカイザース時代じゃないの
\(^^)/
考えるな感じろを極めるとこうなるんですね~
猪狩兄弟が好きなだけ
マスクと仮面と猪狩進
日頃はこのようなお辺鄙ブログサイトをご覧いただきまして誠にありがとうございます。
ほんとうに、心から…
どなたか一人でも見てくださる方がいるのなら、私は全身全霊でこの暑苦しい思いをぶつけていきたいという気概です
なんだかもうぱわぷろが好きすぎていっぱいいっぱいな毎日ですよ
幸せですよ
前も書いたのに懲りずにまた進くんのことを書こうとしています。
ポケ1をあらかたプレイし終わったので調子に乗っているんですね!
そういうわけで今日は5とポケ1の世界+ポケ5についてあることないこと書こうと思います
ま、ず!
ポケ1おもしろいです。とてもおもしろいです。
始めはマスクさんについて知りたいがために始めたことでしたが、おもしろくて即刻はまってしまいました。
極亜久のみんなかわいいね。だからこそポケ3の亀田は真面目にショックなんですが…
なにからお話しようかな!
いきなりいちばんおいしいところからいくんですが、3年甲子園決勝戦。
このイベントはもう、いろいろ様々なエキスが多方面にギュッと濃厚に詰まりすぎてちょっとどうしたらいいか分からないですね…
まず、試合前に主人公がマスクを進だと気付く部分がめちゃくちゃ好きです。
ほんとうに好きです。ポケ1主だいすき。おかげでポケ1主進の妄想もすごいことになっているんですが、それはまた後で
魂を売ってまで野球がしたかった、猪狩進の名前を捨てても野球がしたかった進にとって、あそこで進の名前を呼んでもらえたのには相当大きな意味があると思います。
マスクは顔の傷を隠すため(本当は視力を矯正するため)と言われているけど、いちばんは表情を隠したかったからだと思うよ。
マスクは涙を隠すため、これでお願いします。
それに、マスクで顔を隠してわざと横柄な態度をとっているのは、何より自分の心を隠してごまかしたかったからだと思います。
甲子園2回戦勝利後に進が「ぱわぷろ君も、順調に勝ち進んでるみたいだね。よし、僕もがんばるよ!」と言っていたのには、正直本当に驚いたしグッときました。
ああ、進だなって…
それで、まあ、決勝戦で主人公が勝って進が敗れたあとには、あのイベントがあるわけなんですよね
主:君の兄さんがベンチに来ているんだ。
進:え?
守:進!自分の足で、ここまでこい。ピッチャーとしてマウンドをまかされたからには最後までしっかりしろ!
これさあああああ…
言葉にならんちい
思わず日本語もおかしくなってしまいます
猪狩兄弟をぎゅっと濃縮したらつまりこうなんだよっていうのを公式にまざまざと見せ付けられた感じがします。完敗です。
あ、だめ、また込み上げてきた……
この場面については私ごときがいろいろ言うのも無粋な気がするのでこの辺で。
いつかマスクちゃんのお話も書きたいなーという野望
エンディングで、マスクを外した進が兄さんにかつがれて去っていく図は本当に言葉になりません
マスクと変色した緑の髪でぼろぼろになった弟を見て守さんは何を思い何を感じたんでしょうかね…
進はなにを考えていたんだろう
後ろでぽつんと見ている主人公、野球を続けていればいつか進君と会える気がするというモノローグにもじわっときましたね…
結局進はスポーツドクターとなり選手生命を絶たれ、主人公こそ後にサイボーグになってしまうわけですが…
ポケはえぐいなあ
ポケ7も近いうちに遊びたいです
話は変わりますが、ポケの世界でも守さんのツンデレは最強最高にプリティキュートすぎて私はしんでしまいましたよ
いや、こんなところでしんでなるものか!守さんをぺろぺろできるうちはしぬわけにはいかないんです
主人公に野球道具を送ってくる守さんかわいすぎる。好きだ。守さん好きだ
ポケ1の世界はパワプロ5と繋がっている、もしくは平行世界である、まあひとつのパラレルワールドなわけなんですよね
私がいちばんイメージするポケ1は、ポケ1の世界にぱわぷろ5を足した世界です。
5は、5
ポケ1は、ポケ1+5って感じ
何が言いたいかっていうと、ポケ1の世界には主人公が二人いる!ってことです
猪狩守と同級生の主人公と、猪狩進と同級生の主人公です
ちょっと待て、そんなのってものすごくおいしい
無限の掛け算にもほどがあるなって感じですね、個人的には
ダブル主人公と猪狩兄弟!モエルーワー…
なにより、どのシリーズにおいても進と主人公の関係ってどうあっても同い年じゃないから、先輩後輩の立場になるわけで絶対対等な場所には立てないわけです
だからこそ、ポケ1主はとても新鮮だったし新しい萌えでございました
今まで誰にも言えなかった気持ちや心のわだかまりをポケ1主には話せてたらいいな
なによりポケットの世界でも進くんかわいすぎるよーもー
パワプロ5の時系列には9の世界もあるわけですが、私のイメージではやっぱり5がかなり強いです
マスクになった進が考えているのは、兄のことより主人公のことが多いのかなって
(9の進は勝手にコンプレックスの塊にしているので…)
大切なお友達って
ポケ1の進は、何より心の内を話せる同い年の友達(主人公)が嬉しかったんじゃないかな~
あかつきにも友達はたくさんいるだろうけど、やっぱりそこには兄がいるわけで、野球関連のことはうっかり話せないような気がするから
神社での特訓は、進にとってのオアシスだった気がする
というか、主人公がオアシスになってあげてたらとても良いです
いいね、二人の主人公。
主守とポケ1主進がわちゃわちゃ絡んでいたらそんなのは私がものすごく喜んでしまう
ポケ1主→進守←主人公
とかでもいいです、なんでもいいです
主人公が一人増えただけでこの夢の広がりよう!無限大です
さあみなさんも一緒にたくさんのバリエーションを考えてみましょー
そんで私にこっそり教えてください(笑)
5の主人公は、公式で戸井鉄夫くんという名前があるそうですね
ほう
ところでまた話は変わるんですが、ポケ5の西武に戸井くん(5の主人公)とアフロ猪狩がいるのはどういう意図なんでしょうか??
なんだかものすごくびびった、というか動揺した
どんなに頭をひねってみても「5」繋がりくらいしか思いつかない…
ご存知の方がいらっしゃればぜひ教えてください
ポケ1のパワ高には戸井くんがしっかりいるので、やっぱり5の主人公ということで間違いないんですよね
おめめきらっきらでかわいいのー^^
で、話題にも出たところで、いまはポケ5やってます
むろん仮面ちゃんに会いたいから!
忍者サクセスものすごくおもしろいです。むずかしいけど
まだ1回通りしかやってなくて仮面ちゃん仲間にできなかったので、また仲間にしたらそのときあらぶりそうです
まさかアンヌとの絡みとはな~
忍者サクセスにはポケ1のキャラがたくさんでてきてとても楽しい
何気に村上くんすごい好きです。キャプテン(主人公)になついてるとこがかわい~
鋼もすき
なんか…ちょっと長くなった気がする…
いつものことながらごちゃごちゃ言ってるけど、余分なあらゆる要素を省いていくとつまりそこに残るのはただ好きだなって気持ちだけです
ぱわぷろがほんとーにほんとーに好きです
進もマスクも仮面も守さんも主人公ちゃんも、みんな好きよ
みんなかわいくってみんな好きなので、これからもごりごりお話したいです
語らいましょう^^
ほんとうに、心から…
どなたか一人でも見てくださる方がいるのなら、私は全身全霊でこの暑苦しい思いをぶつけていきたいという気概です
なんだかもうぱわぷろが好きすぎていっぱいいっぱいな毎日ですよ
幸せですよ
前も書いたのに懲りずにまた進くんのことを書こうとしています。
ポケ1をあらかたプレイし終わったので調子に乗っているんですね!
そういうわけで今日は5とポケ1の世界+ポケ5についてあることないこと書こうと思います
ま、ず!
ポケ1おもしろいです。とてもおもしろいです。
始めはマスクさんについて知りたいがために始めたことでしたが、おもしろくて即刻はまってしまいました。
極亜久のみんなかわいいね。だからこそポケ3の亀田は真面目にショックなんですが…
なにからお話しようかな!
いきなりいちばんおいしいところからいくんですが、3年甲子園決勝戦。
このイベントはもう、いろいろ様々なエキスが多方面にギュッと濃厚に詰まりすぎてちょっとどうしたらいいか分からないですね…
まず、試合前に主人公がマスクを進だと気付く部分がめちゃくちゃ好きです。
ほんとうに好きです。ポケ1主だいすき。おかげでポケ1主進の妄想もすごいことになっているんですが、それはまた後で
魂を売ってまで野球がしたかった、猪狩進の名前を捨てても野球がしたかった進にとって、あそこで進の名前を呼んでもらえたのには相当大きな意味があると思います。
マスクは顔の傷を隠すため(本当は視力を矯正するため)と言われているけど、いちばんは表情を隠したかったからだと思うよ。
マスクは涙を隠すため、これでお願いします。
それに、マスクで顔を隠してわざと横柄な態度をとっているのは、何より自分の心を隠してごまかしたかったからだと思います。
甲子園2回戦勝利後に進が「ぱわぷろ君も、順調に勝ち進んでるみたいだね。よし、僕もがんばるよ!」と言っていたのには、正直本当に驚いたしグッときました。
ああ、進だなって…
それで、まあ、決勝戦で主人公が勝って進が敗れたあとには、あのイベントがあるわけなんですよね
主:君の兄さんがベンチに来ているんだ。
進:え?
守:進!自分の足で、ここまでこい。ピッチャーとしてマウンドをまかされたからには最後までしっかりしろ!
これさあああああ…
言葉にならんちい
思わず日本語もおかしくなってしまいます
猪狩兄弟をぎゅっと濃縮したらつまりこうなんだよっていうのを公式にまざまざと見せ付けられた感じがします。完敗です。
あ、だめ、また込み上げてきた……
この場面については私ごときがいろいろ言うのも無粋な気がするのでこの辺で。
いつかマスクちゃんのお話も書きたいなーという野望
エンディングで、マスクを外した進が兄さんにかつがれて去っていく図は本当に言葉になりません
マスクと変色した緑の髪でぼろぼろになった弟を見て守さんは何を思い何を感じたんでしょうかね…
進はなにを考えていたんだろう
後ろでぽつんと見ている主人公、野球を続けていればいつか進君と会える気がするというモノローグにもじわっときましたね…
結局進はスポーツドクターとなり選手生命を絶たれ、主人公こそ後にサイボーグになってしまうわけですが…
ポケはえぐいなあ
ポケ7も近いうちに遊びたいです
話は変わりますが、ポケの世界でも守さんのツンデレは最強最高にプリティキュートすぎて私はしんでしまいましたよ
いや、こんなところでしんでなるものか!守さんをぺろぺろできるうちはしぬわけにはいかないんです
主人公に野球道具を送ってくる守さんかわいすぎる。好きだ。守さん好きだ
ポケ1の世界はパワプロ5と繋がっている、もしくは平行世界である、まあひとつのパラレルワールドなわけなんですよね
私がいちばんイメージするポケ1は、ポケ1の世界にぱわぷろ5を足した世界です。
5は、5
ポケ1は、ポケ1+5って感じ
何が言いたいかっていうと、ポケ1の世界には主人公が二人いる!ってことです
猪狩守と同級生の主人公と、猪狩進と同級生の主人公です
ちょっと待て、そんなのってものすごくおいしい
無限の掛け算にもほどがあるなって感じですね、個人的には
ダブル主人公と猪狩兄弟!モエルーワー…
なにより、どのシリーズにおいても進と主人公の関係ってどうあっても同い年じゃないから、先輩後輩の立場になるわけで絶対対等な場所には立てないわけです
だからこそ、ポケ1主はとても新鮮だったし新しい萌えでございました
今まで誰にも言えなかった気持ちや心のわだかまりをポケ1主には話せてたらいいな
なによりポケットの世界でも進くんかわいすぎるよーもー
パワプロ5の時系列には9の世界もあるわけですが、私のイメージではやっぱり5がかなり強いです
マスクになった進が考えているのは、兄のことより主人公のことが多いのかなって
(9の進は勝手にコンプレックスの塊にしているので…)
大切なお友達って
ポケ1の進は、何より心の内を話せる同い年の友達(主人公)が嬉しかったんじゃないかな~
あかつきにも友達はたくさんいるだろうけど、やっぱりそこには兄がいるわけで、野球関連のことはうっかり話せないような気がするから
神社での特訓は、進にとってのオアシスだった気がする
というか、主人公がオアシスになってあげてたらとても良いです
いいね、二人の主人公。
主守とポケ1主進がわちゃわちゃ絡んでいたらそんなのは私がものすごく喜んでしまう
ポケ1主→進守←主人公
とかでもいいです、なんでもいいです
主人公が一人増えただけでこの夢の広がりよう!無限大です
さあみなさんも一緒にたくさんのバリエーションを考えてみましょー
そんで私にこっそり教えてください(笑)
5の主人公は、公式で戸井鉄夫くんという名前があるそうですね
ほう
ところでまた話は変わるんですが、ポケ5の西武に戸井くん(5の主人公)とアフロ猪狩がいるのはどういう意図なんでしょうか??
なんだかものすごくびびった、というか動揺した
どんなに頭をひねってみても「5」繋がりくらいしか思いつかない…
ご存知の方がいらっしゃればぜひ教えてください
ポケ1のパワ高には戸井くんがしっかりいるので、やっぱり5の主人公ということで間違いないんですよね
おめめきらっきらでかわいいのー^^
で、話題にも出たところで、いまはポケ5やってます
むろん仮面ちゃんに会いたいから!
忍者サクセスものすごくおもしろいです。むずかしいけど
まだ1回通りしかやってなくて仮面ちゃん仲間にできなかったので、また仲間にしたらそのときあらぶりそうです
まさかアンヌとの絡みとはな~
忍者サクセスにはポケ1のキャラがたくさんでてきてとても楽しい
何気に村上くんすごい好きです。キャプテン(主人公)になついてるとこがかわい~
鋼もすき
なんか…ちょっと長くなった気がする…
いつものことながらごちゃごちゃ言ってるけど、余分なあらゆる要素を省いていくとつまりそこに残るのはただ好きだなって気持ちだけです
ぱわぷろがほんとーにほんとーに好きです
進もマスクも仮面も守さんも主人公ちゃんも、みんな好きよ
みんなかわいくってみんな好きなので、これからもごりごりお話したいです
語らいましょう^^
人はそれをデートと呼ぶ
高校生/主守
猪狩守がクレープを食べている。
慣れない手つきで悪戦苦闘しながらもぐもぐとクレープを食む猪狩の様子はどう考えても非日常的なものであり、オレは自分の食べる手をとめて思わず猪狩の顔をじっと見つめてしまった。
そんなオレの視線に気がついた猪狩は、なんだよとでも言いたそうな顔でこちらを一瞥するも、すぐにまた意識はクレープの方へ向いてしまったようで、再びおいしそうに食べ始めた。どうやらよほど気に入ったらしい。
きっかけは部室で話していた矢部くんとの会話だった。
どうやら駅前に新しくクレープのお店が出来て女子に大人気らしい、イケボーイのオイラとしては一度偵察に行ってみるつもりでやんす!と矢部くんは息巻いていた。
パワプロくんもどうでやんすか?矢部くんに誘われてもオレはさほど惹かれなかったのだが、どうやら猪狩がこのクレープ店に興味があるらしいと気が付いてしまってからは話が別だ。
あの猪狩がこちらを見ながら珍しく何かを言いかけてやめたのだった。物言いのはっきりしている猪狩が途中で自分の言葉を引っ込めるなんてことは滅多にない。
もしかして猪狩は話題の店のクレープが食べたいのかもしれない。
オレは矢部くんに場所を尋ねて、練習終わりにこっそり猪狩へ声をかけてみた。素直じゃないこいつはみんなの前で尋ねたところでフンとはねのけるに違いないと思ったからだ。
オレの予想は的中して、話しかけると猪狩はクレープ店について興味を示してきた。
どうやら猪狩は甘いものが好きなようである。意外だ。
俄然楽しくなってきたオレは、ほんの出来心で猪狩とクレープ店に行くことを提案してみた。
またまた意外なことに返事はオーケー。「キミがどうしてもと言うのなら、仕方がないな」いつものかわいげない返答ではあったが、まさか一緒に行くことになるとは思わなくてオレは驚いた。
立ち尽くしているオレに、猪狩はいつもの調子で早く行くぞと促してくるのだった。
お店の中はがやがやして騒がしい。テーブルは程よく埋まっていて、矢部くんの情報通り周りは女の子たちばかりだ。見ていると、テイクアウトして食べながら帰る人も多いみたいだった。
二人分持ってきた水を猪狩の前に差し出すと、猪狩は素直にそれを飲んだ。上品な手つきでナプキンをとるとこれまた優雅な動作で口をふいて、再びクレープに口をつける。今しがた拭いたところだというのに、猪狩のほっぺたにはもう生クリームがついていた。なんだか面白い。
なんとなく予想していたことだったが、猪狩はこういう店へ来ることに慣れていないらしい。
店に入ってからの猪狩は珍しくそわそわきょろきょろとしていた。
オレはといえば、店内に入った途端香る甘い匂いにお腹をぐうと鳴らしていた。生地の焼ける香ばしい匂いがたまらない。オレも甘いものが大好きだ。
オレはいちばん初めに目についた「今月のオススメ!」と書かれたクレープを頼むことにした。果物がたくさん入っているのが魅力的だし、アイスクリームまで乗っかっていてとてもおいしそうだ。
猪狩はどれにするんだろう。落ち着きなさそうにそわそわしている猪狩へオレは声をかけた。
「猪狩、どれにするか決めた?」
「いちごとチョコと…バナナのがいい」
「アレ?」
「ちがう、その隣だ」
「ああ、あれね。分かった。じゃあオレが買ってくるから、お前は席とっといてくれよ」
「…」
「猪狩?」
「あ、ああ、分かった…頼んだぞ。まちがえないでくれよ」
「分かってるって」
そういうわけでいま猪狩は「イチゴとバナナのチョコレートホイップカスタード」を食しているわけだ。
アイスの冷たさに頭をキンとさせながらオレは考える。
オレの頼んだ通りテーブルを確保して大人しく座っていた猪狩の様子はかわいらしかった。戻ってきたオレの姿を見て(正確にはクレープを見て?)顔を綻ばせた猪狩にオレも笑った。
代金を、という猪狩の申し出をやんわりと退けてオレはさっそくクレープにかじりついた。誘ったのはオレの方だし、いいよこのくらい。次はお前がおごってよ。
言うと、猪狩は大きな目をくりくりさせて驚いているようだった。今日は猪狩の珍しい様子を見てばかりだ。
クレープを受け取った猪狩は小さい声で礼を言うと、そろそろと口をつけた。
ぎこちなく初々しい様子にオレの頬はどうしようもなく緩んでしまう。あの猪狩がまるで子供みたいだ。
どうやら猪狩は、嫌味な人間というよりは不器用な人間であるらしいとオレが気付いたのはつい最近のことである。
不器用というのは、例えば動作のことでもあるし人間味における部分も指す。
高飛車でデカイことばかり言うのでどうしても他人に疎まれるのだが、猪狩は自分の言葉に責任を持つし、根拠のないことを言わない。時にチームメイトに対して辛辣なことを言うのもそいつのためを思ってのことだった。ただ、不器用で人間関係を構築するのが上手くないらしく、たびたび誤解をされている。
もう少し柔和という言葉を覚えればいいのだが、いかんせん猪狩は猪狩である。
それに、どうやら嫌味を言うということは猪狩にとって元気のバロメーターでもあるようなので、自信家のこいつはやっぱりこのままでいいのかもしれない。
例え誰が誤解をしようと、オレが間違えなければそれでいいのだ。
だいたい、嫌味じゃない猪狩なんてオレの方こそ調子が出ない。
「猪狩、甘いの好きなんだな」
「ああ、まあね」
「なんか意外。他に好きなものとかある?例えばケーキとかドーナツとか」
「ボクはロールケーキが好きだな。隣町にある店のパワロールがすごく美味しいんだ」
「へえ~、オレも食べてみたい」
「休日になるとよく進と一緒に買いに行くのさ」
甘味は猪狩の口をも饒舌にするらしい。機嫌が良さそうに猪狩はにこにこしながら話してくる。
嬉しいような、なんだか調子が狂うような面映ゆい感じだ。
もっと早くに猪狩といろんな話をしてみれば良かった。これからは積極的にたくさんのことを聞いてみよう。気分屋のこいつのことだから、時と場所とタイミングを見計らいながらではあるけれど。今度は矢部くんたちと一緒に来ても楽しいだろう。
猪狩の口の端には相変わらずチョコレートソースがついていたが、言うと面倒くさそうなので放っておく。
おいしく食べているのならそれがいちばん良い。
そう思って勢いよくクレープにかぶりついたオレは、顔に生クリームがついていることを猪狩に指摘されるのだった。まるで子供みたいだな、猪狩は得意げに笑ってみせる。うるせーと言って紙ナプキンを取ろうとしたオレより先に猪狩の手元がすっと動いた。
きょとんとしていると、猪狩は適当にオレの口元をぬぐってフフンと笑っている。ものすごく機嫌が良さそうだ。なんだこれ。動揺しているのはオレだけなのか。
心臓がどうしようもなく飛び跳ねて、オレはすっかりクレープの味も分からなくなってしまった。悔しかったので、オレは目の前にあった猪狩のクレープを思い切り頬張ってやった。
猪狩が抗議の声を上げたのは言うまでもない。
オマケ
「パワプロ」
「ん、なに?」
「今日、このあと時間があるかい」
「うん、大丈夫だよ。居残り練習か?付き合うぜ」
「そうじゃなくて…」
「?」
「前に、行っただろう、一緒に」
「なんだっけ?」
「ああもう、ほんとうにキミは察しが悪いな。クレープを食べに行っただろう」
「ああ、それか。で、それがどうかした?」
「今日は、このあと暇なんだろ」
「うん。…もしかして一緒に行こうって誘ってる?」
「それ以外になにがあるんだい」
「お前から誘ってくるなんて珍しいな」
「キミに借りをつくったままなのは嫌なんでね。今日はボクのおごりだよ」
「ほんとお前って素直じゃないのな~。はは、まあいいや、行こうぜ猪狩」
「ああ」
「今日はなに食べよっかな~」
人はそれをデートと呼びます
――――――――――
ピクシブよりお引越し
放課後デートって青春ですよね~主守ですよね~
猪狩守がクレープを食べている。
慣れない手つきで悪戦苦闘しながらもぐもぐとクレープを食む猪狩の様子はどう考えても非日常的なものであり、オレは自分の食べる手をとめて思わず猪狩の顔をじっと見つめてしまった。
そんなオレの視線に気がついた猪狩は、なんだよとでも言いたそうな顔でこちらを一瞥するも、すぐにまた意識はクレープの方へ向いてしまったようで、再びおいしそうに食べ始めた。どうやらよほど気に入ったらしい。
きっかけは部室で話していた矢部くんとの会話だった。
どうやら駅前に新しくクレープのお店が出来て女子に大人気らしい、イケボーイのオイラとしては一度偵察に行ってみるつもりでやんす!と矢部くんは息巻いていた。
パワプロくんもどうでやんすか?矢部くんに誘われてもオレはさほど惹かれなかったのだが、どうやら猪狩がこのクレープ店に興味があるらしいと気が付いてしまってからは話が別だ。
あの猪狩がこちらを見ながら珍しく何かを言いかけてやめたのだった。物言いのはっきりしている猪狩が途中で自分の言葉を引っ込めるなんてことは滅多にない。
もしかして猪狩は話題の店のクレープが食べたいのかもしれない。
オレは矢部くんに場所を尋ねて、練習終わりにこっそり猪狩へ声をかけてみた。素直じゃないこいつはみんなの前で尋ねたところでフンとはねのけるに違いないと思ったからだ。
オレの予想は的中して、話しかけると猪狩はクレープ店について興味を示してきた。
どうやら猪狩は甘いものが好きなようである。意外だ。
俄然楽しくなってきたオレは、ほんの出来心で猪狩とクレープ店に行くことを提案してみた。
またまた意外なことに返事はオーケー。「キミがどうしてもと言うのなら、仕方がないな」いつものかわいげない返答ではあったが、まさか一緒に行くことになるとは思わなくてオレは驚いた。
立ち尽くしているオレに、猪狩はいつもの調子で早く行くぞと促してくるのだった。
お店の中はがやがやして騒がしい。テーブルは程よく埋まっていて、矢部くんの情報通り周りは女の子たちばかりだ。見ていると、テイクアウトして食べながら帰る人も多いみたいだった。
二人分持ってきた水を猪狩の前に差し出すと、猪狩は素直にそれを飲んだ。上品な手つきでナプキンをとるとこれまた優雅な動作で口をふいて、再びクレープに口をつける。今しがた拭いたところだというのに、猪狩のほっぺたにはもう生クリームがついていた。なんだか面白い。
なんとなく予想していたことだったが、猪狩はこういう店へ来ることに慣れていないらしい。
店に入ってからの猪狩は珍しくそわそわきょろきょろとしていた。
オレはといえば、店内に入った途端香る甘い匂いにお腹をぐうと鳴らしていた。生地の焼ける香ばしい匂いがたまらない。オレも甘いものが大好きだ。
オレはいちばん初めに目についた「今月のオススメ!」と書かれたクレープを頼むことにした。果物がたくさん入っているのが魅力的だし、アイスクリームまで乗っかっていてとてもおいしそうだ。
猪狩はどれにするんだろう。落ち着きなさそうにそわそわしている猪狩へオレは声をかけた。
「猪狩、どれにするか決めた?」
「いちごとチョコと…バナナのがいい」
「アレ?」
「ちがう、その隣だ」
「ああ、あれね。分かった。じゃあオレが買ってくるから、お前は席とっといてくれよ」
「…」
「猪狩?」
「あ、ああ、分かった…頼んだぞ。まちがえないでくれよ」
「分かってるって」
そういうわけでいま猪狩は「イチゴとバナナのチョコレートホイップカスタード」を食しているわけだ。
アイスの冷たさに頭をキンとさせながらオレは考える。
オレの頼んだ通りテーブルを確保して大人しく座っていた猪狩の様子はかわいらしかった。戻ってきたオレの姿を見て(正確にはクレープを見て?)顔を綻ばせた猪狩にオレも笑った。
代金を、という猪狩の申し出をやんわりと退けてオレはさっそくクレープにかじりついた。誘ったのはオレの方だし、いいよこのくらい。次はお前がおごってよ。
言うと、猪狩は大きな目をくりくりさせて驚いているようだった。今日は猪狩の珍しい様子を見てばかりだ。
クレープを受け取った猪狩は小さい声で礼を言うと、そろそろと口をつけた。
ぎこちなく初々しい様子にオレの頬はどうしようもなく緩んでしまう。あの猪狩がまるで子供みたいだ。
どうやら猪狩は、嫌味な人間というよりは不器用な人間であるらしいとオレが気付いたのはつい最近のことである。
不器用というのは、例えば動作のことでもあるし人間味における部分も指す。
高飛車でデカイことばかり言うのでどうしても他人に疎まれるのだが、猪狩は自分の言葉に責任を持つし、根拠のないことを言わない。時にチームメイトに対して辛辣なことを言うのもそいつのためを思ってのことだった。ただ、不器用で人間関係を構築するのが上手くないらしく、たびたび誤解をされている。
もう少し柔和という言葉を覚えればいいのだが、いかんせん猪狩は猪狩である。
それに、どうやら嫌味を言うということは猪狩にとって元気のバロメーターでもあるようなので、自信家のこいつはやっぱりこのままでいいのかもしれない。
例え誰が誤解をしようと、オレが間違えなければそれでいいのだ。
だいたい、嫌味じゃない猪狩なんてオレの方こそ調子が出ない。
「猪狩、甘いの好きなんだな」
「ああ、まあね」
「なんか意外。他に好きなものとかある?例えばケーキとかドーナツとか」
「ボクはロールケーキが好きだな。隣町にある店のパワロールがすごく美味しいんだ」
「へえ~、オレも食べてみたい」
「休日になるとよく進と一緒に買いに行くのさ」
甘味は猪狩の口をも饒舌にするらしい。機嫌が良さそうに猪狩はにこにこしながら話してくる。
嬉しいような、なんだか調子が狂うような面映ゆい感じだ。
もっと早くに猪狩といろんな話をしてみれば良かった。これからは積極的にたくさんのことを聞いてみよう。気分屋のこいつのことだから、時と場所とタイミングを見計らいながらではあるけれど。今度は矢部くんたちと一緒に来ても楽しいだろう。
猪狩の口の端には相変わらずチョコレートソースがついていたが、言うと面倒くさそうなので放っておく。
おいしく食べているのならそれがいちばん良い。
そう思って勢いよくクレープにかぶりついたオレは、顔に生クリームがついていることを猪狩に指摘されるのだった。まるで子供みたいだな、猪狩は得意げに笑ってみせる。うるせーと言って紙ナプキンを取ろうとしたオレより先に猪狩の手元がすっと動いた。
きょとんとしていると、猪狩は適当にオレの口元をぬぐってフフンと笑っている。ものすごく機嫌が良さそうだ。なんだこれ。動揺しているのはオレだけなのか。
心臓がどうしようもなく飛び跳ねて、オレはすっかりクレープの味も分からなくなってしまった。悔しかったので、オレは目の前にあった猪狩のクレープを思い切り頬張ってやった。
猪狩が抗議の声を上げたのは言うまでもない。
オマケ
「パワプロ」
「ん、なに?」
「今日、このあと時間があるかい」
「うん、大丈夫だよ。居残り練習か?付き合うぜ」
「そうじゃなくて…」
「?」
「前に、行っただろう、一緒に」
「なんだっけ?」
「ああもう、ほんとうにキミは察しが悪いな。クレープを食べに行っただろう」
「ああ、それか。で、それがどうかした?」
「今日は、このあと暇なんだろ」
「うん。…もしかして一緒に行こうって誘ってる?」
「それ以外になにがあるんだい」
「お前から誘ってくるなんて珍しいな」
「キミに借りをつくったままなのは嫌なんでね。今日はボクのおごりだよ」
「ほんとお前って素直じゃないのな~。はは、まあいいや、行こうぜ猪狩」
「ああ」
「今日はなに食べよっかな~」
人はそれをデートと呼びます
――――――――――
ピクシブよりお引越し
放課後デートって青春ですよね~主守ですよね~
だからさよなら
猪狩兄弟の話/プロ入り後の主人公と猪狩
「ボクは、もしかしたらずっと間違っていたのかもしれない」
手の中でグラスを弄びながら言った猪狩は、そのまま一気に中身を飲み干してしまった。ごくごくと喉が鳴って、ビールは猪狩の腹の中に溜まっていく。
ふう、大きく息をついた猪狩が新しいアルコールをグラスへと注ぐ。ぎりぎりのところで留まった泡が頼りなく揺れていた。
二人して黙ったままグラスを傾けるだけの時間が続く。
猪狩守がオレのマンションへやってきたのは半刻ほど前のことだ。
見たいテレビもないのでそろそろ寝ようかと思ったところへインターホンが鳴ったのだった。
誰だよ、こんな時間に…すでにベッドへと横になっていたオレはしつこいインターホンの呼び出しに根負けしてしぶしぶと起き上がった。
こんな時間にやってくる人間は一体誰だろうと訝りながらインターホンの画面をのぞくと、なんとそこには猪狩の姿があるではないか。オレは驚いて、すぐに扉を開けた。
「猪狩!どうしたんだよ、こんな時間に。しかも突然」
「失礼するよ」
オレの質問には答えずに猪狩は靴を脱ぐとさっさと部屋へと上がりこんでしまうのだった。
こんなときでも脱いだ靴を律儀に揃えていくのがいかにも猪狩らしい。キレイな靴をぼんやりと眺めてからオレは急いで猪狩の背中を追う。
その手には大きなビニール袋が下げられていた。
「その格好を見ると、もう寝ていたのかい?」
「いや、寝てはなかったけど。それにしてもどうしたんだよ猪狩。なんかあったのか?」
オレの質問には答えずに、猪狩は下げていたビニール袋を下ろして、自身もどっかと腰を下ろした。
猪狩の部屋とは違ってオレの狭い部屋にはソファなんてないから、カーペットの上にそのまま胡坐をかく。
猪狩にしてはぞんざいな動きである。
黙って見ていると、今度はビニール袋の中身をがさがさと取り出し始めた。大きな袋の中から出てきたのは、大量の缶ビールとつまみの数々だった。
「パワプロ、突っ立ってないでグラスを出してくれ」
「なんだよ、今から飲むのか?お前が自分から酒を飲みたがるなんて珍しいな」
「たまにはね。そういう気分なんだ」
ビールとつまみを机に並べている猪狩を横目で見ながらオレは黙ってグラスを取りに行くことにした。猪狩の目が少しだけ赤く腫れているのを見てしまったからだった。
こんな時間に猪狩が自分のマンションへ訪ねてくること、苦手なアルコールを飲もうとしていること、コンビニの安い酒とつまみを持参してきたこと、そのすべてが猪狩らしくないのは言うまでもない。
オレはグラスと皿を持って猪狩の真正面に腰を下ろしたのだが、猪狩はさして気にした風でもなく、手渡されたグラスにさっそくビールを注ぎ始めた。とっとっと、注がれた小麦色の液体を猪狩は一口だけ飲んでこちらを向いた。
「たくさん買ってきたから、キミも飲むといいよ」
「てか、買いすぎだろ。ぬるくなるから、残りは冷蔵庫入れとくぞ」
猪狩は黙ってビールを傾けている。残りの酒を冷蔵庫に入れて戻ると、猪狩はスルメをかじっているところだった。
こういうのも意外とおいしいものなんだな、独り言のように言った猪狩はさらに新しいつまみの袋を開けていった。
その様子を見ながらオレもビールの蓋を開けて口をつける。猪狩のようにわざわざグラスへ注ぐことはしない。一気に半分ほど飲み干してぷはっと息をつく。ビールはいつ飲んだって美味いものだ。猪狩がそう思っているのかどうかは分からない。こいつはアルコールが苦手のはずだった。
「進が、来年プロ入りする」
「え、進くんが!良かったなあ」
猪狩はそれだけを言うとまた黙ってしまった。スルメをかじりながらちびりちびりとビールを舐めるばかりである。猪狩とスルメ、似合わない組み合わせだ。
オレは猪狩の買ってきたつまみを勝手に開けて食べ始めたが、猪狩は何も言わなかった。
チーズ鱈をもぐもぐと咀嚼しながらオレはあっという間にビールを一缶開けてしまった。先ほど自分がしまったばかりのビールを冷蔵庫から取り出すために席を立つ。猪狩はそんなオレの様子をぼんやりと眺めながらやっぱりスルメをかじっていた。気に入ったんだろうか。惰性で口に入れているだけのような気もする。
席を立ったついでに、オレは冷凍の枝豆を取り出した。確か猪狩は枝豆が好きだったはずだ。飲み屋に行ってもほとんど飲まない猪狩は枝豆ばかりつまんでいたような気がする。安物の冷凍枝豆が口に合うかどうかは知らないが、適当に湯で流して皿に盛る。まだ半分くらい凍っているだろうがまあいいだろう。
「良かったら食えよ」
机の上に置くと猪狩はさっそく枝豆をつまみ出した。もぐもぐと黙って食べている様子は珍しくかわいかったが、少々不気味でもある(いつもだったらまだ凍っているだの塩気が薄いだのいろいろとうるさい)。
出された枝豆が半分ほどなくなった頃、猪狩はぽつりと言葉を零した。顔が赤い。
「ボクは、もしかしたらずっと間違っていたのかもしれない」
唐突な言葉の意味をオレは理解することができなかった。そもそも独り言のような気もする。
それきり猪狩も黙ってしまったものだから、オレも静かにビールを開けた。ビールはあっという間に空になってしまって、オレはそのたびに何度も腰を上げなければならないのだった。
何本の缶ビールが空いたことだろう、その頃には猪狩は耳まで真っ赤に染め上げて情けない顔をしていた。いつもの嫌味で高飛車な猪狩はどこにいってしまったのだろう。
凛々しい眉がへにょんと垂れているのをみて、オレは不覚にも動揺した。明らかに飲みすぎだ。
「猪狩、もうその辺でやめとけよ。お前もともと酒強くないだろ」
「うるさいな。このくらいどうってことないよ」
「鏡で自分の顔を見てから言えよ。今のお前すっごい情けない顔してるぞ。天才猪狩守の名が泣くぞ」
猪狩は返事をしない。酒がまわってふらふらしているようだった。完全につぶれている。
とうとう机に突っ伏してしまった猪狩を軽くさすりながらオレは声をかけた。
「おい、猪狩大丈夫か」
「すすむが、ボクのことをきらいだっていうんだ」
「なんだって?」
「すすむはボクのことがきらいだそうだよ」
要領の得ないことを言う猪狩にオレの声は届いていないようだった。もごもごと聞き取りにくい声量で猪狩の独り言は続いた。
「“僕は兄さんのことがずっと嫌いでした。プロ入りをして、僕は変わります。もう、兄さんの後ろをついていく僕ではありません”そうやっていうんだ」
「ほんとに進くんがそんなこと言ったのか?」
「ボクのかおをまっすぐみながらいったよ。あんなすすむははじめてみた」
「進くんどうしたんだろう…」
「さすがのボクもこたえたな」
そう言うと猪狩はとろんとした瞼を完全に下してしまった。ベッドへ行くように促すといやいやをするように頭を振っていやがった。
「ボクは、もしかしたらずっとまちがっていたのかもしれない」
先程と同じ言葉を繰り返した猪狩は、少しだけ起き上がってそれきりまた力なく机へ倒れ込んでしまった。
そんなことないだろう、なあ猪狩、舌先まで出かかったオレの言葉は声になることなく胃の中のビールと一緒に腹の中へ溜まっていく。猪狩の目に涙を見たからだった。目じりからほろほろと流れるそれにオレは何も言葉が出てこなかった。
掌で適当に涙をぬぐってやってから、完全に寝入ってしまった猪狩を運ぶためにオレは立ち上がった。
いくら毎日鍛えているとはいえ、同じように鍛え上げられている成人男性を一人でベッドまで運ぶのは骨が折れた。力の抜けた人間というのはこんなにも重いものなのか。以前にも酔っぱらった猪狩を自宅まで送り届けたことがあったが、あのときの猪狩はまだ意識があった。
ベッドへ猪狩を横たえ布団をかける。その間猪狩は全く起きなかった。ぐっすりというよりはぐったりとした様子で眠っている。この様子では明日は二日酔いかもしれない。
あの天才猪狩が二日酔い、らしくない。少しだけくすっと笑ってしまってから、眠る猪狩を見てオレは顔をひきしめた。
彼ら兄弟の間で何があったのかは知らない。オレはずっと、仲の良い兄弟だと思っていた。そして、実際そうだったのだろう。あの猪狩が弟の進くんについて話すときはいつも誇らしげに目をキラキラさせている様子をオレは何度も見ていたし、高校時代にバッテリーを組んでいた彼らは確かに最高のパートナーだった。
あのとき兄さんを尊敬していますと言った進くんの言葉は、きっと嘘ではないんだろう。
ただ、それだけではなかったのかもしれない。こうして思い返してみれば、進くんは猪狩の弟として見られていることが多かったような気がするし、どうしても言動が派手な兄の猪狩の方が目立っていた。
進くんはどうして今になって猪狩にあんなことを言ったのだろう。そう考えると、オレや猪狩にとっては「突然」の話であっても、進くんからすればたぶんそうではなかったんだろう。ずっと思っていたことを、今回たまたま吐き出しただけにちがいない。
そうだとすれば、彼らの間に横たわる問題は、一朝一夕のものではない。そしてそれは、猪狩もうすうす分かっているのではないだろうか。猪狩はばかじゃない。それでも、猪狩は猪狩なりに弟を慈しんできたのだろう。猪狩が家族をとても大切にすることをオレは知っていた。
進くんがどういうつもりで、どういう気持ちで猪狩にあのようなことを言ったのかオレには分からない。
ただ、彼らは、そろそろ兄弟離れをする時期がきたのかもしれないと思った。
猪狩は猪狩、進くんは進くんで歩き出す時がきたのだ。なあ猪狩、お前も本当は分かっているんだろ。進くんの言動は、そのための一歩だった。あのように言わなければその一歩を踏み出せなかった進くんの気持ちはオレには計り知れなかったけれど、それでも、彼ら兄弟が今までとは違う形で道を歩んでいくための大きな一歩だったのだろう。
だから猪狩、しばらくの間はさよならをするんだよ。
お前は悲しむかもしれないけど、たぶんそういう時期がきてしまったんだ。お前って、オレの予想以上にブラコンだったんだな。オレですらそう思うんだから、進くんにそれが伝わっていないはずがないよ。だから、大丈夫。
明日起きたら、二日酔いを訴えるお前を引っ張って河原へ行こう。
キャッチボールももちろんいいし、久しぶりに勝負するのもいいな。
お前の全力ストレート、見えないところまでかっ飛ばしてやる。
だから、今はもう少しだけ眠っていていいよ。
―――――――――――
ピクシブよりお引越し
時系列無視、完全妄想ですがこれも意外と気に入ってます
「ボクは、もしかしたらずっと間違っていたのかもしれない」
手の中でグラスを弄びながら言った猪狩は、そのまま一気に中身を飲み干してしまった。ごくごくと喉が鳴って、ビールは猪狩の腹の中に溜まっていく。
ふう、大きく息をついた猪狩が新しいアルコールをグラスへと注ぐ。ぎりぎりのところで留まった泡が頼りなく揺れていた。
二人して黙ったままグラスを傾けるだけの時間が続く。
猪狩守がオレのマンションへやってきたのは半刻ほど前のことだ。
見たいテレビもないのでそろそろ寝ようかと思ったところへインターホンが鳴ったのだった。
誰だよ、こんな時間に…すでにベッドへと横になっていたオレはしつこいインターホンの呼び出しに根負けしてしぶしぶと起き上がった。
こんな時間にやってくる人間は一体誰だろうと訝りながらインターホンの画面をのぞくと、なんとそこには猪狩の姿があるではないか。オレは驚いて、すぐに扉を開けた。
「猪狩!どうしたんだよ、こんな時間に。しかも突然」
「失礼するよ」
オレの質問には答えずに猪狩は靴を脱ぐとさっさと部屋へと上がりこんでしまうのだった。
こんなときでも脱いだ靴を律儀に揃えていくのがいかにも猪狩らしい。キレイな靴をぼんやりと眺めてからオレは急いで猪狩の背中を追う。
その手には大きなビニール袋が下げられていた。
「その格好を見ると、もう寝ていたのかい?」
「いや、寝てはなかったけど。それにしてもどうしたんだよ猪狩。なんかあったのか?」
オレの質問には答えずに、猪狩は下げていたビニール袋を下ろして、自身もどっかと腰を下ろした。
猪狩の部屋とは違ってオレの狭い部屋にはソファなんてないから、カーペットの上にそのまま胡坐をかく。
猪狩にしてはぞんざいな動きである。
黙って見ていると、今度はビニール袋の中身をがさがさと取り出し始めた。大きな袋の中から出てきたのは、大量の缶ビールとつまみの数々だった。
「パワプロ、突っ立ってないでグラスを出してくれ」
「なんだよ、今から飲むのか?お前が自分から酒を飲みたがるなんて珍しいな」
「たまにはね。そういう気分なんだ」
ビールとつまみを机に並べている猪狩を横目で見ながらオレは黙ってグラスを取りに行くことにした。猪狩の目が少しだけ赤く腫れているのを見てしまったからだった。
こんな時間に猪狩が自分のマンションへ訪ねてくること、苦手なアルコールを飲もうとしていること、コンビニの安い酒とつまみを持参してきたこと、そのすべてが猪狩らしくないのは言うまでもない。
オレはグラスと皿を持って猪狩の真正面に腰を下ろしたのだが、猪狩はさして気にした風でもなく、手渡されたグラスにさっそくビールを注ぎ始めた。とっとっと、注がれた小麦色の液体を猪狩は一口だけ飲んでこちらを向いた。
「たくさん買ってきたから、キミも飲むといいよ」
「てか、買いすぎだろ。ぬるくなるから、残りは冷蔵庫入れとくぞ」
猪狩は黙ってビールを傾けている。残りの酒を冷蔵庫に入れて戻ると、猪狩はスルメをかじっているところだった。
こういうのも意外とおいしいものなんだな、独り言のように言った猪狩はさらに新しいつまみの袋を開けていった。
その様子を見ながらオレもビールの蓋を開けて口をつける。猪狩のようにわざわざグラスへ注ぐことはしない。一気に半分ほど飲み干してぷはっと息をつく。ビールはいつ飲んだって美味いものだ。猪狩がそう思っているのかどうかは分からない。こいつはアルコールが苦手のはずだった。
「進が、来年プロ入りする」
「え、進くんが!良かったなあ」
猪狩はそれだけを言うとまた黙ってしまった。スルメをかじりながらちびりちびりとビールを舐めるばかりである。猪狩とスルメ、似合わない組み合わせだ。
オレは猪狩の買ってきたつまみを勝手に開けて食べ始めたが、猪狩は何も言わなかった。
チーズ鱈をもぐもぐと咀嚼しながらオレはあっという間にビールを一缶開けてしまった。先ほど自分がしまったばかりのビールを冷蔵庫から取り出すために席を立つ。猪狩はそんなオレの様子をぼんやりと眺めながらやっぱりスルメをかじっていた。気に入ったんだろうか。惰性で口に入れているだけのような気もする。
席を立ったついでに、オレは冷凍の枝豆を取り出した。確か猪狩は枝豆が好きだったはずだ。飲み屋に行ってもほとんど飲まない猪狩は枝豆ばかりつまんでいたような気がする。安物の冷凍枝豆が口に合うかどうかは知らないが、適当に湯で流して皿に盛る。まだ半分くらい凍っているだろうがまあいいだろう。
「良かったら食えよ」
机の上に置くと猪狩はさっそく枝豆をつまみ出した。もぐもぐと黙って食べている様子は珍しくかわいかったが、少々不気味でもある(いつもだったらまだ凍っているだの塩気が薄いだのいろいろとうるさい)。
出された枝豆が半分ほどなくなった頃、猪狩はぽつりと言葉を零した。顔が赤い。
「ボクは、もしかしたらずっと間違っていたのかもしれない」
唐突な言葉の意味をオレは理解することができなかった。そもそも独り言のような気もする。
それきり猪狩も黙ってしまったものだから、オレも静かにビールを開けた。ビールはあっという間に空になってしまって、オレはそのたびに何度も腰を上げなければならないのだった。
何本の缶ビールが空いたことだろう、その頃には猪狩は耳まで真っ赤に染め上げて情けない顔をしていた。いつもの嫌味で高飛車な猪狩はどこにいってしまったのだろう。
凛々しい眉がへにょんと垂れているのをみて、オレは不覚にも動揺した。明らかに飲みすぎだ。
「猪狩、もうその辺でやめとけよ。お前もともと酒強くないだろ」
「うるさいな。このくらいどうってことないよ」
「鏡で自分の顔を見てから言えよ。今のお前すっごい情けない顔してるぞ。天才猪狩守の名が泣くぞ」
猪狩は返事をしない。酒がまわってふらふらしているようだった。完全につぶれている。
とうとう机に突っ伏してしまった猪狩を軽くさすりながらオレは声をかけた。
「おい、猪狩大丈夫か」
「すすむが、ボクのことをきらいだっていうんだ」
「なんだって?」
「すすむはボクのことがきらいだそうだよ」
要領の得ないことを言う猪狩にオレの声は届いていないようだった。もごもごと聞き取りにくい声量で猪狩の独り言は続いた。
「“僕は兄さんのことがずっと嫌いでした。プロ入りをして、僕は変わります。もう、兄さんの後ろをついていく僕ではありません”そうやっていうんだ」
「ほんとに進くんがそんなこと言ったのか?」
「ボクのかおをまっすぐみながらいったよ。あんなすすむははじめてみた」
「進くんどうしたんだろう…」
「さすがのボクもこたえたな」
そう言うと猪狩はとろんとした瞼を完全に下してしまった。ベッドへ行くように促すといやいやをするように頭を振っていやがった。
「ボクは、もしかしたらずっとまちがっていたのかもしれない」
先程と同じ言葉を繰り返した猪狩は、少しだけ起き上がってそれきりまた力なく机へ倒れ込んでしまった。
そんなことないだろう、なあ猪狩、舌先まで出かかったオレの言葉は声になることなく胃の中のビールと一緒に腹の中へ溜まっていく。猪狩の目に涙を見たからだった。目じりからほろほろと流れるそれにオレは何も言葉が出てこなかった。
掌で適当に涙をぬぐってやってから、完全に寝入ってしまった猪狩を運ぶためにオレは立ち上がった。
いくら毎日鍛えているとはいえ、同じように鍛え上げられている成人男性を一人でベッドまで運ぶのは骨が折れた。力の抜けた人間というのはこんなにも重いものなのか。以前にも酔っぱらった猪狩を自宅まで送り届けたことがあったが、あのときの猪狩はまだ意識があった。
ベッドへ猪狩を横たえ布団をかける。その間猪狩は全く起きなかった。ぐっすりというよりはぐったりとした様子で眠っている。この様子では明日は二日酔いかもしれない。
あの天才猪狩が二日酔い、らしくない。少しだけくすっと笑ってしまってから、眠る猪狩を見てオレは顔をひきしめた。
彼ら兄弟の間で何があったのかは知らない。オレはずっと、仲の良い兄弟だと思っていた。そして、実際そうだったのだろう。あの猪狩が弟の進くんについて話すときはいつも誇らしげに目をキラキラさせている様子をオレは何度も見ていたし、高校時代にバッテリーを組んでいた彼らは確かに最高のパートナーだった。
あのとき兄さんを尊敬していますと言った進くんの言葉は、きっと嘘ではないんだろう。
ただ、それだけではなかったのかもしれない。こうして思い返してみれば、進くんは猪狩の弟として見られていることが多かったような気がするし、どうしても言動が派手な兄の猪狩の方が目立っていた。
進くんはどうして今になって猪狩にあんなことを言ったのだろう。そう考えると、オレや猪狩にとっては「突然」の話であっても、進くんからすればたぶんそうではなかったんだろう。ずっと思っていたことを、今回たまたま吐き出しただけにちがいない。
そうだとすれば、彼らの間に横たわる問題は、一朝一夕のものではない。そしてそれは、猪狩もうすうす分かっているのではないだろうか。猪狩はばかじゃない。それでも、猪狩は猪狩なりに弟を慈しんできたのだろう。猪狩が家族をとても大切にすることをオレは知っていた。
進くんがどういうつもりで、どういう気持ちで猪狩にあのようなことを言ったのかオレには分からない。
ただ、彼らは、そろそろ兄弟離れをする時期がきたのかもしれないと思った。
猪狩は猪狩、進くんは進くんで歩き出す時がきたのだ。なあ猪狩、お前も本当は分かっているんだろ。進くんの言動は、そのための一歩だった。あのように言わなければその一歩を踏み出せなかった進くんの気持ちはオレには計り知れなかったけれど、それでも、彼ら兄弟が今までとは違う形で道を歩んでいくための大きな一歩だったのだろう。
だから猪狩、しばらくの間はさよならをするんだよ。
お前は悲しむかもしれないけど、たぶんそういう時期がきてしまったんだ。お前って、オレの予想以上にブラコンだったんだな。オレですらそう思うんだから、進くんにそれが伝わっていないはずがないよ。だから、大丈夫。
明日起きたら、二日酔いを訴えるお前を引っ張って河原へ行こう。
キャッチボールももちろんいいし、久しぶりに勝負するのもいいな。
お前の全力ストレート、見えないところまでかっ飛ばしてやる。
だから、今はもう少しだけ眠っていていいよ。
―――――――――――
ピクシブよりお引越し
時系列無視、完全妄想ですがこれも意外と気に入ってます
あなたに恋をしているの
※先天性で女の子な猪狩守ちゃん注意
主←守←進
おかしなところがないか、ボクは最終チェックのつもりでスカートの裾をつまみながらもう一度だけ鏡の前でまわってみた。
何度も結び直した胸元のリボンとしわひとつないプリーツスカートがふわりと舞う様子に満足する。
もちろんメイクだってばっちりだ。緩やかに持ち上がったまつげはぱっちりとした二重の目元を飾り、アイラインは細く上品にボクの大きな目を際立たせている。チークは淡いピンク色で健康的に頬を染め上げ、リップグロスは少し多めに乗せてぷっくりとした唇を印象づける。
ボクは今日もなんと美しいのだろう。どこからどうみても完璧なボクは、ただやはり髪型だけが気に入らないのだった。
(また前髪がはねてる…)
どんなに丹念にブローしても、美容師にパーマをかけてもらっても、昔からボクの前髪はいつも決まって同じ方向にはねるのだった。ぐいぐいと指で引っ張ってみてもやはりすぐに戻ってしまう。
軽く首を振ると、ぱさりとショートカットの髪が揺れた。
髪型ひとつにこれほどまで心を砕く自分を滑稽に思いながらも、それでもやっぱりボクは考えずにはいられないのだった。
(あいつも、長い髪が好きなんだろうか)
あれは野球部の連中が「好みのタイプ」について話しているときだった。胸の大きい子がいい、背の小さい子がいい、料理上手な子がいい、好き勝手言う連中の声を聞きながら、ボクは心底どうでもいいと思いながらスポーツドリンクを飲み干したのだった。
今日はまた一段と暑い。休憩後の練習はさらに厳しくなるだろう。
「パワプロはどんな子が好きなんだー?髪長い子だっけ?」
ドリンクのおかわりを注ぎに腰を浮かせたボクは、中途半端な姿勢のままもう一度ベンチへ腰を下ろした。
後ろの方で矢部と何事か話していたパワプロはきゅっと顔を上げてこちらを見る。
いきなりなにー?と要領の得ない顔をしているパワプロの返事を待ってボクは無意識に唇を舐めていた。
ああ、喉が渇く。今日はなんて暑いんだろう。
「好きなタイプ?ああ、オレは」
「猪狩!監督が呼んでたぞ!」
ようやく口を開いたパワプロの声を掻き消したのは突然現れたチームメイトだった。
パワプロが何か面白いことを言ったらしく、後ろではドッと笑いが起こった。あいにくボクの耳にはその内容は聞こえてこなかった。
「猪狩?どうした、監督が呼んでんだろ?」
「ああ、今行くよ」
近くにいたチームメイトがいぶかしげな顔でこちらを見る。
ボクは曖昧に笑うとコップを置いて立ち上がった。パワプロたちはまだ笑っていた。
(結局、聞けないままだったんだ)
ボクが戻ってくる頃には当然のように話題は変わっていて、パワプロたちは今日あった小テストについて話しているのだった。順番からするとどうやら次はボクたちのクラスで抜き打ちの小テストがあるらしいが、そんなものは普段からきちんと勉強しておけば何の問題もない。
そのように答えると、相変わらずだなお前はと言ってパワプロは笑うのだった。相変わらずとは、それはいい意味なのだろうか、悪い意味なのだろうか。
ああ、それよりもいま差し当たって問題なのはこの前髪である。
やはりドライヤーをあてたくらいではどうにもならない。
「おはようございます、姉さん」
鏡に進の姿が映り込んで、ボクは少しだけびっくりしながら振り返った。もうそんな時間か。
「姉さん、最近気合い入ってますね。鏡の前にいる時間が前より増えたし」
「べつにそんなことない。もう終わるところだ」
「姉さん、前髪が気になるんなら、あれをつけたらいいのに」
どうやら意地の悪い弟はボクが前髪に四苦八苦する様子を見ていたらしい。
にっこりと笑った進が言う。
「あの髪留め、パワプロ先輩にもらったんでしょう?」
「あ、あれは、べつに!」
「いまさら隠さなくても。いつも机の上に置いて眺めてるから僕にもばればれですよ」
それも見ていたのか。本当に進は意地が悪い。
返答に困るボクへ進はやっぱり笑ってみせるのだった。
待っててください、と言い置いて踵を返した進はすぐに戻ってきた。手にはいつもボクが眺めているだけのヘアピンが握られている。
進が持ってきた髪留めとは、野球部で縁日に行ったときにひょんなことからパワプロがボクに買ってくれたものだった。出店に並ぶそれを何気なく眺めていたら、いつの間にか隣にいたパワプロが買ってくれた。きょとんとしているボクに、パワプロはきっと似合うよと言いながら小さな包みをボクの手の平に置いていくのだった。そのときの自分がなんと返答したのかはよく覚えていない。
「せっかくもらったんだからつけなくちゃ。今日は僕がつけてあげます」
そっぽを向くボクの前にやってきた進は、慣れた手つきで髪をかきあげると難無くヘアピンをつけていった。
長い髪をいつも結んでいる弟にとってこのくらいのことは造作もないことらしい。
人差し指で髪を触りながら進は言う。
「ほら、とってもかわいいですよ」
「ボクは、こんな幼稚なデザインは好きじゃないんだ」
「お花のかわいいデザインだと思いますけど」
「いかにも幼稚なあいつが好きそうなものだ」
フンと鏡を見ながら言うと、進は苦笑いしながら自分のネクタイの歪みを直し始めた。
髪留めをつけるのは得意なくせに、ネクタイを結ぶのは苦手だなんてボクの弟ながら変わったやつだ。
そんな進を横目に、ボクはというと鏡の中に映る自分の姿にうっとりみとれているのだった。
進の言う通りとてもよく似合っている。
こんなにかわいいヘアピンなら、もっと早くにつけていれば良かった。
ああでも、これをもらった日から数えて朝練のない日は今日が初めてなのだから仕方ない。
あいつはこれを見てなんと言うだろうか。似合うと言ってくれるだろうか。鈍感なあいつのことだから、そもそもヘアピンをつけていることすら気付かないかもしれないな。
ボクはこんなにもかわいいというのに、あいつときたらなにひとつ分かっちゃいないのだから。
「さあ姉さん行きましょう」
「ああ」
今日もボクの一日が始まる。外に出ると文句なしの快晴で、まぶしい太陽光に目を細めながら進と二人で笑った。
今日も絶好の野球日和だ。
―――――――
こいつぁやべえなと思ったら下げます
とうとうやってしまった…にょたまもちゃん…かわいい…
守さんはあおいちゃんみたいな感じで女性ピッチャーとしてチームにいます
守さんは全然相手にしてないけど、実はモテモテで常に狙われてたらウマー
悪い虫は進くんがぜんぶ排除だお
容姿には自信あり。野球に関しても自信あり。でも恋愛だけはどうしても自信が持てなくって…
主人公ちゃんの前ではことさら素直になれなくって…
守さんかわいすぎるからお嫁にきてください。私が娶る幸せにします
守姉さんに思いを寄せる進くんが切な萌えすぎてぱねえっす
主←守←進
おかしなところがないか、ボクは最終チェックのつもりでスカートの裾をつまみながらもう一度だけ鏡の前でまわってみた。
何度も結び直した胸元のリボンとしわひとつないプリーツスカートがふわりと舞う様子に満足する。
もちろんメイクだってばっちりだ。緩やかに持ち上がったまつげはぱっちりとした二重の目元を飾り、アイラインは細く上品にボクの大きな目を際立たせている。チークは淡いピンク色で健康的に頬を染め上げ、リップグロスは少し多めに乗せてぷっくりとした唇を印象づける。
ボクは今日もなんと美しいのだろう。どこからどうみても完璧なボクは、ただやはり髪型だけが気に入らないのだった。
(また前髪がはねてる…)
どんなに丹念にブローしても、美容師にパーマをかけてもらっても、昔からボクの前髪はいつも決まって同じ方向にはねるのだった。ぐいぐいと指で引っ張ってみてもやはりすぐに戻ってしまう。
軽く首を振ると、ぱさりとショートカットの髪が揺れた。
髪型ひとつにこれほどまで心を砕く自分を滑稽に思いながらも、それでもやっぱりボクは考えずにはいられないのだった。
(あいつも、長い髪が好きなんだろうか)
あれは野球部の連中が「好みのタイプ」について話しているときだった。胸の大きい子がいい、背の小さい子がいい、料理上手な子がいい、好き勝手言う連中の声を聞きながら、ボクは心底どうでもいいと思いながらスポーツドリンクを飲み干したのだった。
今日はまた一段と暑い。休憩後の練習はさらに厳しくなるだろう。
「パワプロはどんな子が好きなんだー?髪長い子だっけ?」
ドリンクのおかわりを注ぎに腰を浮かせたボクは、中途半端な姿勢のままもう一度ベンチへ腰を下ろした。
後ろの方で矢部と何事か話していたパワプロはきゅっと顔を上げてこちらを見る。
いきなりなにー?と要領の得ない顔をしているパワプロの返事を待ってボクは無意識に唇を舐めていた。
ああ、喉が渇く。今日はなんて暑いんだろう。
「好きなタイプ?ああ、オレは」
「猪狩!監督が呼んでたぞ!」
ようやく口を開いたパワプロの声を掻き消したのは突然現れたチームメイトだった。
パワプロが何か面白いことを言ったらしく、後ろではドッと笑いが起こった。あいにくボクの耳にはその内容は聞こえてこなかった。
「猪狩?どうした、監督が呼んでんだろ?」
「ああ、今行くよ」
近くにいたチームメイトがいぶかしげな顔でこちらを見る。
ボクは曖昧に笑うとコップを置いて立ち上がった。パワプロたちはまだ笑っていた。
(結局、聞けないままだったんだ)
ボクが戻ってくる頃には当然のように話題は変わっていて、パワプロたちは今日あった小テストについて話しているのだった。順番からするとどうやら次はボクたちのクラスで抜き打ちの小テストがあるらしいが、そんなものは普段からきちんと勉強しておけば何の問題もない。
そのように答えると、相変わらずだなお前はと言ってパワプロは笑うのだった。相変わらずとは、それはいい意味なのだろうか、悪い意味なのだろうか。
ああ、それよりもいま差し当たって問題なのはこの前髪である。
やはりドライヤーをあてたくらいではどうにもならない。
「おはようございます、姉さん」
鏡に進の姿が映り込んで、ボクは少しだけびっくりしながら振り返った。もうそんな時間か。
「姉さん、最近気合い入ってますね。鏡の前にいる時間が前より増えたし」
「べつにそんなことない。もう終わるところだ」
「姉さん、前髪が気になるんなら、あれをつけたらいいのに」
どうやら意地の悪い弟はボクが前髪に四苦八苦する様子を見ていたらしい。
にっこりと笑った進が言う。
「あの髪留め、パワプロ先輩にもらったんでしょう?」
「あ、あれは、べつに!」
「いまさら隠さなくても。いつも机の上に置いて眺めてるから僕にもばればれですよ」
それも見ていたのか。本当に進は意地が悪い。
返答に困るボクへ進はやっぱり笑ってみせるのだった。
待っててください、と言い置いて踵を返した進はすぐに戻ってきた。手にはいつもボクが眺めているだけのヘアピンが握られている。
進が持ってきた髪留めとは、野球部で縁日に行ったときにひょんなことからパワプロがボクに買ってくれたものだった。出店に並ぶそれを何気なく眺めていたら、いつの間にか隣にいたパワプロが買ってくれた。きょとんとしているボクに、パワプロはきっと似合うよと言いながら小さな包みをボクの手の平に置いていくのだった。そのときの自分がなんと返答したのかはよく覚えていない。
「せっかくもらったんだからつけなくちゃ。今日は僕がつけてあげます」
そっぽを向くボクの前にやってきた進は、慣れた手つきで髪をかきあげると難無くヘアピンをつけていった。
長い髪をいつも結んでいる弟にとってこのくらいのことは造作もないことらしい。
人差し指で髪を触りながら進は言う。
「ほら、とってもかわいいですよ」
「ボクは、こんな幼稚なデザインは好きじゃないんだ」
「お花のかわいいデザインだと思いますけど」
「いかにも幼稚なあいつが好きそうなものだ」
フンと鏡を見ながら言うと、進は苦笑いしながら自分のネクタイの歪みを直し始めた。
髪留めをつけるのは得意なくせに、ネクタイを結ぶのは苦手だなんてボクの弟ながら変わったやつだ。
そんな進を横目に、ボクはというと鏡の中に映る自分の姿にうっとりみとれているのだった。
進の言う通りとてもよく似合っている。
こんなにかわいいヘアピンなら、もっと早くにつけていれば良かった。
ああでも、これをもらった日から数えて朝練のない日は今日が初めてなのだから仕方ない。
あいつはこれを見てなんと言うだろうか。似合うと言ってくれるだろうか。鈍感なあいつのことだから、そもそもヘアピンをつけていることすら気付かないかもしれないな。
ボクはこんなにもかわいいというのに、あいつときたらなにひとつ分かっちゃいないのだから。
「さあ姉さん行きましょう」
「ああ」
今日もボクの一日が始まる。外に出ると文句なしの快晴で、まぶしい太陽光に目を細めながら進と二人で笑った。
今日も絶好の野球日和だ。
―――――――
こいつぁやべえなと思ったら下げます
とうとうやってしまった…にょたまもちゃん…かわいい…
守さんはあおいちゃんみたいな感じで女性ピッチャーとしてチームにいます
守さんは全然相手にしてないけど、実はモテモテで常に狙われてたらウマー
悪い虫は進くんがぜんぶ排除だお
容姿には自信あり。野球に関しても自信あり。でも恋愛だけはどうしても自信が持てなくって…
主人公ちゃんの前ではことさら素直になれなくって…
守さんかわいすぎるからお嫁にきてください。私が娶る幸せにします
守姉さんに思いを寄せる進くんが切な萌えすぎてぱねえっす
猪狩守と××××
こんにちはー!
脳内で守さんとデートをするときは「猪狩くん」と呼んでいる系女子です。
こわいですか?^^
守さんが大好きで毎日とっても楽しいです。
ところで、守さんってどういうときにオナニーするんです?
のっけから恐ろしいことを言っていますが、そういうことについて書きまくる予定ですのでムリだと思われた方はどうか見逃してあげてください。
かわいそうな人のかわいそうな一人談議です。
脳内で守さんとデートをするときは「猪狩くん」と呼んでいる系女子です。
こわいですか?^^
守さんが大好きで毎日とっても楽しいです。
ところで、守さんってどういうときにオナニーするんです?
のっけから恐ろしいことを言っていますが、そういうことについて書きまくる予定ですのでムリだと思われた方はどうか見逃してあげてください。
かわいそうな人のかわいそうな一人談議です。
進くん
迷うなぁ~! セクシーなの?キュートなの? どっちが タイプよ?
どっちもタイプです!
というわけで進くんについてあることないこと書こうと思います。
進くんが好きです。かわいいです。
私は進くんのことをまごうことなき天使だと思っています。進くんは天使だよ。
だけど、真裏は悪魔ちゃんだと思っています。
天使をこじらせちゃった悪魔とでもいうんでしょうか
二面性…というか、天使だけでも悪魔だけでもないのが進くん。
進くんは難しいキャラクターだなあと勝手に認識している
私の中では不憫キャラで定着しているのがいけないのかもしれない…
作中ではいつも「猪狩守の弟」としての扱い、果ては猪狩二号とまで呼ばれ、本人自身も兄に対してはコンプレックスの塊で、あとはもう交通事故のイメージしかない。
挙句、拉致改造の野球マスク…進くん…
どう考えても一筋縄じゃいかない進くんなので、私の中では天使と悪魔のイメージが混在してならないのです
天使のイメージにもふたつあって、純粋潔白のふわふわエンジェルのときと撲殺天使の両方ありますね。
でも(撲殺)天使だろうと悪魔だろうと笑顔はみんな一緒、エンジェルスマイルなの
ぽるのぐらふぃてぃの曲に「Devil in Angel」という歌があるのですが、(そして私はぽるの信者なので度々彼らの歌を妄想変換して聞いているのですが)、これを天使&悪魔の進くんで聞くとかっちりもっちり萌えてしまったりするわけなんですよ~
オススメ☆ミ
「天使と悪魔 本当のところやつらは双子だって!?」の部分がお気に入り
天使&悪魔の進、双子設定でももちろんうまいですね。
にっこり笑った顔はうりふたつなのに、顔つきが違うっていうのモエーですね。
ほっぺたとほっぺた、手と手を合わせてにーっこり笑ってるススムズは兄さんがだあーいすき!胸熱。
なぜ私には絵が描けないんだろうな…
私は進守も守進も両方好きです。どっちもかわいいわあ
悪魔の部分を全面に出した進×守兄さんってぇのも最高に熱いですね。
進の兄さん大好き、兄さんなんて大嫌い、ふたつの気持ちがせめぎ合っているさまが物凄い好きです。
どっちも嘘偽りない本当の気持ちだと思うし
憧憬と尊敬、コンプレックスと憎悪をないまぜにして、長い間ぐるぐるしてたらぐちゃぐちゃになっちゃって自分でもどうしたらいいのか分からない感情をそのまま兄さんにぶつけてしまう進ウマー!
またぽるのさんの曲で申し訳ないのだけど、「空蝉」といううたがあって、これがまた進守で。
コンプレックスで塗り固められてぬちゃぬちゃになった進が守さんを無理矢理やっちまった!というシチュエーションで聞くとムラムラします。良いです。
曲調がころころと変わるのですが、これがまた進の二面性や、望まない行為から最終的に受け入れてしまう守さんを表現しているようでおいしいのです…
いちど進守で聞いたらものすごく進守だったんです…
もうみんな好きなんだけど、「裏腹な心に目隠しして サディストに豹変する歌を呟く」が一等お気に入り
進くんって、スイッチがあると思うんだよね
そしてそのスイッチを無意識ながら押してしまうのはいつだって守さん
進がずっとずっとずっと我慢して押しこめてたものがバン!
おいしいです。
かっわいくてキュートでハッピーな猪狩兄弟も大好きです。
それと同じくらい薄暗くて救いのないような兄弟も好きです。
彼らは本当に難儀な兄弟だと思うのですよ…ウッ好き…
ふたりともほんとーにかわいくってほんとーに好きです。
どっちもタイプです!
というわけで進くんについてあることないこと書こうと思います。
進くんが好きです。かわいいです。
私は進くんのことをまごうことなき天使だと思っています。進くんは天使だよ。
だけど、真裏は悪魔ちゃんだと思っています。
天使をこじらせちゃった悪魔とでもいうんでしょうか
二面性…というか、天使だけでも悪魔だけでもないのが進くん。
進くんは難しいキャラクターだなあと勝手に認識している
私の中では不憫キャラで定着しているのがいけないのかもしれない…
作中ではいつも「猪狩守の弟」としての扱い、果ては猪狩二号とまで呼ばれ、本人自身も兄に対してはコンプレックスの塊で、あとはもう交通事故のイメージしかない。
挙句、拉致改造の野球マスク…進くん…
どう考えても一筋縄じゃいかない進くんなので、私の中では天使と悪魔のイメージが混在してならないのです
天使のイメージにもふたつあって、純粋潔白のふわふわエンジェルのときと撲殺天使の両方ありますね。
でも(撲殺)天使だろうと悪魔だろうと笑顔はみんな一緒、エンジェルスマイルなの
ぽるのぐらふぃてぃの曲に「Devil in Angel」という歌があるのですが、(そして私はぽるの信者なので度々彼らの歌を妄想変換して聞いているのですが)、これを天使&悪魔の進くんで聞くとかっちりもっちり萌えてしまったりするわけなんですよ~
オススメ☆ミ
「天使と悪魔 本当のところやつらは双子だって!?」の部分がお気に入り
天使&悪魔の進、双子設定でももちろんうまいですね。
にっこり笑った顔はうりふたつなのに、顔つきが違うっていうのモエーですね。
ほっぺたとほっぺた、手と手を合わせてにーっこり笑ってるススムズは兄さんがだあーいすき!胸熱。
なぜ私には絵が描けないんだろうな…
私は進守も守進も両方好きです。どっちもかわいいわあ
悪魔の部分を全面に出した進×守兄さんってぇのも最高に熱いですね。
進の兄さん大好き、兄さんなんて大嫌い、ふたつの気持ちがせめぎ合っているさまが物凄い好きです。
どっちも嘘偽りない本当の気持ちだと思うし
憧憬と尊敬、コンプレックスと憎悪をないまぜにして、長い間ぐるぐるしてたらぐちゃぐちゃになっちゃって自分でもどうしたらいいのか分からない感情をそのまま兄さんにぶつけてしまう進ウマー!
またぽるのさんの曲で申し訳ないのだけど、「空蝉」といううたがあって、これがまた進守で。
コンプレックスで塗り固められてぬちゃぬちゃになった進が守さんを無理矢理やっちまった!というシチュエーションで聞くとムラムラします。良いです。
曲調がころころと変わるのですが、これがまた進の二面性や、望まない行為から最終的に受け入れてしまう守さんを表現しているようでおいしいのです…
いちど進守で聞いたらものすごく進守だったんです…
もうみんな好きなんだけど、「裏腹な心に目隠しして サディストに豹変する歌を呟く」が一等お気に入り
進くんって、スイッチがあると思うんだよね
そしてそのスイッチを無意識ながら押してしまうのはいつだって守さん
進がずっとずっとずっと我慢して押しこめてたものがバン!
おいしいです。
かっわいくてキュートでハッピーな猪狩兄弟も大好きです。
それと同じくらい薄暗くて救いのないような兄弟も好きです。
彼らは本当に難儀な兄弟だと思うのですよ…ウッ好き…
ふたりともほんとーにかわいくってほんとーに好きです。

